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西武ライオンズ「獅考トレーニング」驚きの全貌 「育成」を成功させ、優勝争うチームになれるか

東洋経済オンライン / 2023年12月3日 8時1分

西武では、こうした「獅考トレーニング」が2014年から行われている。森友哉(現オリックス・バファローズ)や山川穂高がルーキーの頃に始められた。

研修では「思考のクセ」を明らかにする第一歩として、「靴下はなぜ履いていますか?」という質問が投げかけられた。

「みんながそうしているから」「なんとなく」「これまでずっとそうしてきたから」と選手たちが返答していく。講師によると、答えに「思考のクセ」が表れているという。

こうした自身の考え方は、改めて整理する機会がなければ気づきにくいだろう。

だからこそ、アスリートが思考トレーニングを行う意義がある。スポーツの指導は「ティーチング」から始まるケースが多く、そこに落とし穴が潜んでいるからだ。

研修を請け負う株式会社ホープスの坂井伸一郎社長が説明する。

「私が行っていたテニスでは、フォアハンドとバックハンドの打ち方を教わるところからスタートします。スポーツは必ず、ティーチングから始まるんですよね。それからある程度のレベルに達するまで、どうしてもティーチング一辺倒になる。だから『次は何をやればいいですか』と聞いたり、指示を待っていたりする選手がすごく多くなると思います」

ティーチングは、コーチが選手に答えを教える指導法だ。

対して、選手が答えにたどり着くための質問をコーチが投げかけたり、絶妙な距離で寄り添ったりしていくのがコーチングである。

この2つをどう使い分けるか。スポーツ界はもちろん、ビジネスの世界でも、人を指導する者にとって重要なテーマだ。

成功した選手には「自分の頭で考えられる者」が多い

野球界の場合、子どもの頃から結果を早く求めるあまり、大人のコーチが教えすぎる弊害がよく指摘される。

とくに強豪チームでは監督が作戦から練習内容まで細かく指示し、選手を“ロボット”のように扱う場合も少なくない。

そうして育った選手は社会に出ると、「野球選手は指示を与えなければ、自分で動かない」という“指示待ち人間”と見られてしまう。

対して、成功した選手は「自分の頭で考えられる者」ばかりだ。大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)やダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が好例だろう。

西武で言えば、浅村栄斗(現東北楽天ゴールデンイーグルス)や外崎修汰は入団当初こそ感覚派(本能的)だったものの、主力になった頃には思考力が磨かれ、自分の感覚を的確に表現できるようになった。

裏を返せば、そうした考え方を身につけたからこそ、野球の成績も伴ってきたのだろう。

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