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中国シャオミ「スマホ不況」の克服に自信示す根拠 7~9月期は1年半ぶり増収、純利益は2.8倍に

東洋経済オンライン / 2023年12月7日 17時0分

スマホ市場の低迷が長引くなか、シャオミは1年半ぶりの増収を達成した。写真は10月に発表した新型スマホ「Xiaomi 14 Pro」(同社ウェブサイトより)

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は11月20日、2023年7~9月期の決算を発表した。同四半期の売上高は708億9400万元(約1兆4706億円)を計上。前年同期比で0.6%増加し、実に1年半ぶりの(前年同期比での)増収となった。一時損益などを除いた調整後純利益は59億9000万元(約1243億円)と、前年同期の約2.8倍に増加した。

【写真】シャオミは自動車事業への参入準備を急いでいる。写真は中国情報工業化省の開示資料に添付された「シャオミ・カー」とみられる新型車

「今回の業績はシャオミが成長サイクルに復帰し、将来も成長を続ける能力があることを示した」。シャオミ総裁(社長に相当)の盧偉冰氏は、決算説明会でそう自信を示した。

成長重視から堅実路線に転換

スマホに代表されるコンシューマー向け電子機器の市場は、2023年に入ってから全体的に低迷が続く。そんななか、シャオミは成長スピード優先の経営姿勢から、堅実かつ精緻なマネジメントによって(事業の)規模と利益を両立させる戦略に舵を切った。

その成果は7~9月期の業績数字に表れている。同四半期の粗利益率は22.7%と、前年同期より6.1ポイント上昇して過去最高を記録した。

主力製品のスマートフォンの粗利益率は16.6%と、前年同期より7.7ポイント改善。その要因についてシャオミは、製品ラインナップの見直しや海外市場の在庫の適正化、(半導体など)コア部品の調達価格の低下などを挙げた。

スマホの販売収入はシャオミの総売上高の約6割を占めている。同社の7~9月期のスマホ販売台数(出荷ベース)は約4180万台と、前年同期比4.0%増加。その一方、スマホ1台当たりの平均販売価格は同5.8%下落した。

その理由についてシャオミは、「中南米やアフリカなどスマホの中心価格帯が低い新興市場で販売台数が大きく伸びたため」と説明している。

市場調査会社のカナリスのデータによれば、シャオミは7~9月期のスマホのグローバル市場で約14%のシェアを獲得し、メーカー別のランキングで第3位に入った。首位は韓国のサムスン電子で市場シェア20%、第2位はアメリカのアップルで同17%だった。

シャオミ・カーの進捗は予定通り

スマホ以外の事業セグメントでは、スマート家電などの「IoT(モノのインターネット)およびライフスタイル関連製品」の売上高が前年同期比8.5%増の207億元(約4294億円)を記録し、シャオミの総売上高の約3割を占めた。また、広告やゲームなどの「インターネットサービス」の売上高は同9.7%増の78億元(約1618億円)だった。

シャオミは将来の重点分野として自動車事業への参入準備を急いでいる。総裁の盧氏は決算説明会で、その進捗について「全体的に予定通り」としたうえで、次のように述べた。

「シャオミ・カーは(昨年に続いて)もうすぐ2回目の冬季耐久テストを実施する。2024年前半に(車両の)量産を開始する目標に変更はない」

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は11月20日

財新 Biz&Tech

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