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旧ジャニーズ、福田新社長就任で何が変わるのか エージェント契約はタレントに救いとなるのか?

東洋経済オンライン / 2023年12月8日 17時50分

タレント側の業務負担は増えるが、タレントの取り分は増えるし、自由に仕事も選ぶことができる。

なぜ「エージェント契約」なのか?

福田氏は、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントでハリウッド映画の製作現場に携わった経験がある。J-CASTニュースのインタビューではハリウッド式のエージェント契約との比較から、日本のタレント契約のあり方(マネジメント契約)は、低賃金で移籍の自由もない「奴隷契約」であると批判している。

逆に言えば、芸能事務所にとっては、既存のマネジメント契約の方が儲かるし、安定してタレントを囲い込むことができる、「おいしい契約形態」とも見ることができる。

にもかかわらず、なぜ新会社がエージェント契約を導入することが有力視されるのだろうか。

その理由として、下記の3点が考えられる。

① 取引先離反の防止のため

② 新会社の負担を最小限にとどめるため

③ タレントの選択肢を広げるため

9月7日の記者会見直後から、広告主(スポンサー)企業の急速な離反が起きており、メディアの企業の所属タレント起用離れに波及するに至っている。

まずは①についてだが、取引先の離反防止が旧ジャニーズ事務所にとって喫緊の課題である。ただし、企業側の「タレントを継続的に起用したい」という意向は依然として強く、実際にP&Gジャパンは事務所を通さず、直接契約するという方式を取っている。

エージェント契約が導入されれば、企業はタレントと直接契約を結ぶことになる。間接的に新会社に手数料が流れるにしても、社長も外部から招聘し、旧ジャニーズ事務所とは異なる会社であることがアピールできれば、広告主やメディア企業がタレントを起用することに支障はなくなる。

続いて、②についてだが、タレントとマネジメント契約をするとなると、オフィス、マネージャーなどのスタッフを整えなければならない。タレントのマネジメントの負担も大きくなる。会社立ち上げの段階では、エージェント契約から始めたほうが、会社側にとって金銭的、労力的な負担は小さくて済む。

最後に③についてだが、すでにタレントの離反が懸念されている状況にある。タレントに自由な契約形態を提示することで、新会社と契約する障壁を下げるという意図がその背景にあはありそうだ。旧ジャニーズ事務所を退所したタレントが新会社と新たにエージェント契約を結ぶ可能性も考えられる。

ただし、現段階では、所属タレントに十分な説明がなされているとは言い難く、十分な説明とビジョンの提示が求められている。

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