旧ジャニーズ、福田新社長就任で何が変わるのか エージェント契約はタレントに救いとなるのか?
東洋経済オンライン / 2023年12月8日 17時50分
以上、エージェント契約を導入する理由を述べてきたが、逆に言えば、上記の3つが解消されれば、エージェント契約にこだわる必要は薄いとも言える。
日本の芸能界にエージェント契約は馴染むのか?
そもそも、一見、マネジメント契約よりもエージェント契約の方が優れているようにも見えるが、事はそう単純ではない。
“マネジメント契約は会社員”、“エージェント契約は個人事業主”に例えられることがある。この例えは必ずしも正確とは言えないが、イメージはわきやすい。十分に稼ぐ力があり、自分で何でもできるタレントであればエージェント契約はメリットがあるが、そうでないタレントにとっては、マネジメント契約の場合が適している場合もある。
だからこそ、旧ジャニーズ事務所は「若手タレントなどは新会社に所属することもできる」と表明し、2つの契約形態を併存させる方向を取ろうとしているのだ。
日本の芸能事務所の重要な機能として、タレントの育成とマネジメントがある。この2つの業務を事務所側が担うからこそ、報酬は事務所の取り分が多く、タレントへの配分が少なくなるという側面がある。
アメリカにおいては、ミュージシャン、俳優、モデル、MC、コメディアンなど、「本業」が明確に決まっている。歌手であるレディガガは映画に出演したり、俳優であるウィル・スミスが歌を歌ったりはしているが、それはたまたま複数の領域で活動しているというにすぎない。
日本の「タレント」、「アイドル」と呼ばれる人たちは、歌、ダンス、俳優、モデルなど、複数の領域の仕事を同時にこなす“ジェネラリスト”であるのが一般的だ。それをマネジメントするのが、芸能事務所のプロデューサーであり、マネージャーである。
特に、アイドルグループという存在は、自然に誕生するものではなく、タレントの組み合わせと売り出し方を考えて、グループ単位での営業活動を行う必要がある。
エージェント契約でそれを行うのは不可能ではないが、困難である。実際に、エージェント契約が主体のアメリカで、日本で見られるような「アイドルグループ」は生まれていない。
アイドル文化は、日本の芸能界のガラパゴス的な特殊環境によって誕生したとも言える。特に、タレントを丸抱えして面倒をみるマネジメント契約という形態が、大きく寄与していると考えられる。
日本の芸能界は今後どう変わるべきなのか?
日本のアイドル文化は残していく価値があるのがもちろんあるが、旧ジャニーズ事務所においては、故ジャニー喜多川氏の性加害を生む要因ともなった、芸能事務所のタレントに対する圧倒的な優位性は解消されなければならない。また、それが長きに渡って被害が隠蔽されてきた要因となった、メディアに対する圧力、あるいはメディア側の忖度も是正される必要がある。
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