あのJR東海が自ら始める、「新幹線通勤」の快適度 さらば単身赴任!東京から新大阪まで通勤圏に
東洋経済オンライン / 2023年12月8日 7時20分
コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。ビジネス需要や観光・レジャー需要が戻り、東海道新幹線をはじめ新幹線の輸送力は、コロナ禍前のピーク(2018年度)比で9割まで回復してきた。
『週刊東洋経済』12月9日号は「無敵の新幹線」を特集。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力など、今後の見通しについてリポートする。当該記事「新幹線通勤」以外にも、北陸や北海道、九州新幹線などの全国各地ルポ、リニア中央新幹線の最新事情などを掲載している。
JR東海が2024年1月から、大規模な「新幹線通勤」の制度を本格導入する。東海道新幹線の全区間(東京━新大阪間、約550キロメートル)で、新幹線を使った通勤を認める方針だ。すでに10月から人事部で先行的に試行しており、来年1月からは全社で実施する。
現状では長距離通勤を原則300キロメートル以内とし、東京駅からであれば豊橋駅まで。これが新大阪駅まで一気に広がる。対象は運行や保全に関わる現業部門以外で、オフィス勤務など非現業部門で約6000人。この制度を利用すれば、”単身赴任が解消”されるうえ、勤務地に制約のあった社員がエリアをまたいで異動することも可能になる。
新幹線通勤時の「車内の執務」も認められる
それだけではない。JR東海の場合、現行では通勤時の執務は不可とされているが、来年からは、新幹線通勤など”移動時における車内での執務”が週7.5時間までカウントされるという。
さらには在宅勤務も、現状は自宅のみだが、これにカフェなど集中できる環境も加わる。例えば、週5日勤務のうち、週4日を新幹線通勤、週1日を自由な場所で在宅勤務とすることも可能なのだ。
同社では今回の狙いについて、「リモートワークは場所を問わず働けるメリットがある反面、コミュニケーションなどでデメリットも指摘されている。各企業が『リモートか対面か』の選択に悩む中、リモートだけに頼らず、(新幹線通勤で)対面の機会を確保しながら、柔軟な働き方を実現したい」と説明する。
つまりは、時間や場所を選ばない、柔軟な働き方を取り入れることによって、人材確保や生産性向上ばかりでなく、社員のエンゲージメント(働きがい)を高めたい、ということだろう。
一方、過去にはJR東海にも負けないくらい、これまで新幹線通勤を導入する企業は少しずつ増えていた。
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