日清食品「完全メシ」、独自技術駆使し狙う定番化 「カラムーチョ」が栄養食?可能にする技術とは
東洋経済オンライン / 2023年12月8日 8時0分
カップライスの「カレーメシ」、カップ焼そば「U.F.O.」などおなじみのインスタント食品から、冷凍のかつ丼やピザ、スナック菓子まで。
これらはすべて、日清食品が展開するブランド「完全メシ」の商品だ。
「完全メシ」とは、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準)で設定された33種類の栄養素をバランスよく摂取できる商品シリーズのこと。
2022年5月に販売を開始し、同年度の売上高は30億円。今年9月末までの累計出荷数は1500万食を突破した。量販店やオンラインストアを中心に販売し、今年9月発売の「ハヤシメシ」や「トマトクリームポタージュ」など、商品数を順調に拡大させている。木村屋總本店とは「あんぱん」の、子会社の湖池屋とは「カラムーチョ」の完全メシも開発した。
完全メシとうたうものの、「健康」のイメージからはかけ離れた商品が多い印象。だが、これが1つのポイントだ。日清食品の藤野誠常務は、「ジャンキーなメニューなのに、バランスよく栄養がとれて、しかもおいしい。このギャップに価値を感じてもらっている」と語る。
「あれこれ考えずに」栄養がとれる
健康的な食事には手間がかかる。理想は厚労省が推進するような主食・主菜・副菜を組み合わせたメニューだが、過不足なく栄養素を摂取するには、栄養の知識や多種多様な食材、それを調理する労力が必要だ。
また近年、健康志向の高まりから、シリアルバーやプロテイン飲料など特定の栄養素を豊富に摂取できる「特化型」の商品も増えた。こうした商品は分かりやすいが、足りない栄養を別の食品やサプリメントで補う必要がある。一方、「完全メシはいわば“究極型”。1商品に栄養素がバランスよく詰まっていてあれこれ考える必要がない」(藤野常務)。
日清食品は「食行動を変えずに、いつも通りの食事をすれば健康になれる」社会の実現を掲げる。お湯を注げばすぐに食べられる「カレーメシ」や「U.F.O.」などから完全メシを展開したのは、そうした考えが背景にある。
ただ、完全メシが含む33の栄養素は「舐めると苦みやエグみがあって、そのままだと食べられたものではない」(日清食品広報)。その中で、消費者に手にとってもらうためには「おいしさ」が不可欠。それを可能にするのが、これまで日清食品が培ってきた多様なフードテクノロジーだ。
栄養素の苦みを「マスキング」する
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