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横のエレベーターほかトヨタ自動車九州の独創性 なぜ「製造以外」でもアイデアが光るのか?

東洋経済オンライン / 2023年12月9日 9時0分

車両はトヨタが研究開発中の低速走行モビリティ「APM」で、バックアップ車両を含めて4台をトヨタから借りて運用する。

停留所は、広い世代が認識できるように「あ」「い」「う」「え」「お」といった一文字表示として、各停留所に専用タブレットを置く。運行管理のため、さまざまなデータを収集して解析する仕組みだ。

シェアリングサービス 

宮田工場の敷地内では、電動キックボードのシェアリングサービスが実施されている。2020年3月から2023年6月まで行ったが、今後もシステムを改訂してサービスは継続する。

これまでの利用実績は累計5万回、総走行距離4万5000km。ヘルメットや帽子の着用義務はない。

太陽光パネルと「プリウス」の中古バッテリーを組み合わせたパッケージを独自に開発した充電ステーションを設置し、電動キックボードは非接触で充電する仕組みにもトライしている。

また、ワンウェイ利用などによるステーションでの電動キックボードの偏在に対しては、トヨタ自動車九州としてデータに基づいて再配置を実施するなど、運用のほとんどを内製化したのが特徴である。

トヨタ車以外の既存車向けデータ収集デバイス

GPSを位置情報だけではなく、急発進や急加速などドライバーの運転評価、さらに燃料残量やBEVのバッテリー残量などの可視化に活用する専用デバイスを開発している。

近年のトヨタ車の場合、新車製造時点でクルマと外部とのデータを送受信するためのDCM(データ・コミュニケーション・モジュール)が装着されているが、トヨタ車以外の既存車にも対応できるのが特徴だ。

具体的な事例は3件ある。1つは、福岡トヨタと連携した、九州大学伊都キャンパスでの学生向けカーシェアサービスだ。

2つ目は、大分市佐賀関でのグリーンスローモビリティ実証。地元住民の買い物や通院、また路線バスとフェリー乗り場をつなぐ観光利用などで活用されている。

3つ目は、沖縄の「やんばるZEVプロジェクト」だ。

やんばる国立公園内での観光と、生物多様性の保護のためにトヨタAPMを活用している。主な利用は夜間に行うナイトツアーだが、収益性を考慮して日中はオクマ プライベートビーチ&リゾートでの活用も視野に入れている。

水素ファクトリーシステム

水素ファクトリーシステムは、2022・2023年度、福岡県水素グリーン成長戦略会議の補助事業として行われている「再エネと連動運転可能な定置型燃料電池発電システムの開発」のこと。

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