「最新の共通テスト」東大生も驚いた国語の超難化 漢字が持つ意味まで深く理解しないと解けない
東洋経済オンライン / 2023年12月15日 10時0分
1つ、みなさんにも試してもらいましょう。同じ形式の問題として、こんな問題を作ってみました。解いてみてください。
「共ツウする要素」
1:ツウロ
2:ツウガク
3:ツウセツ
4:ツウホウ
さて、どうでしょう? どれが正解かわかりますか?「漢字はわかるけど、答えが選べない!」という人もいるかもしれませんね。
このように「漢字はわかっていても答えがわからない」状況が出てきます。書き取りができるだけでは、この問題は解けないわけですね。
今回の問題の漢字は、「通」ですね。「共通する要素」というのは、「全体に行き渡る」という意味になります。
この「通」という漢字は、基本的には「まっすぐにつきとおる」(通路、通行)という意味が根本にあると考えられています。そこから派生して、「ある場所に行き来する、かよう」(通学、通勤)、「言葉や情報を相手に伝える」(通報、報道)、「最初から最後までとおす」(通読、通夜)と、意味が広がっています。
選択肢の漢字とその意味は、以下の通りです。
1:通路 「とおり抜ける」
2:通学 「ある場所に行き来する、かよう」
3:通説 「全体に行き渡る」
4:通報 「言葉や情報を相手に伝える」
正解は「3」です。
注目すべき点は、「最初から最後までとおす」です。「最初から最後」は、すなわち「全体的に行き届くこと」ということを指しています。
「食通な人」なんて言いますけれど、それは「いろんなところの食を知っていて、食に精通している、広く最初から最後まで物事を知っている人」という意味になります。
「共通」とはどれにもあてはまって通用することなので、最後の「3」の「全体的に行き届くこと」の意味になります。
ほかに同じような漢字を挙げると、「通説」がありますね。広くその説が知られていることを指します。
さて、どうしてこのような「同じ漢字の違う意味」を問う問題が増えてきたのでしょうか?
これは僕の勝手な考えですが、日本という国の教育において、語彙力の定義が変わってきている、ということなのだと思います。
この問題を出題している文部科学省の人たちは、「これからの学生は、同じ漢字・同じ言葉であっても、複数の意味があるということを理解しておく必要がある」と考えているのではないでしょうか。
昔から、小学校の低学年から漢字の書き取りをさせる国語の授業はとても多かったです。「100回同じ漢字を書く課題」というのもありましたよね。
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