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M-1に愛され、翻弄された和牛の消えぬ「たられば」 解散の選択に影響したかもしれない「あの節目」

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 11時40分

彼らの漫才を語るうえでM-1は外せない(写真:HEILAI Zhengnan / PIXTA)

「和牛解散」。そのニュースに触れた12月13日朝の長男のメッセージは、わが家の家族LINEを沸騰させた。

【時系列で振り返る】2015年~2019年。あと一歩届かなかった。和牛とM-1グランプリ「不遇の歴史」

わが家一のお笑いファンである長女は「えっ…!」と絶句。大事な要件にもちっとも連絡をよこさない次男ですら「あら」という書き込みをした。

それほどに和牛の解散は、私たちにとってショッキングな出来事だった。

個人的に言うと、最近見ないなあと頭の片隅で思っていた。漫才界の動向に気をつけているぼくですら、そんな状態だった。

この独特の漫才が見られなくなる

和牛は好きな漫才師だ。川西くんのねちっとした、悪意のあるツッコミと、それを無視して飄々とボケ続ける水田くんのやり取りは、ほかの漫才師にはない独特の形でとくに好きだった。

いや過去形ではない。まだ解散していないのだ。にしても、もうすぐこの独特の漫才が見られなくなるということか。

解散の理由はいろいろと挙げられているが、そのうちのひとつが水田くんの頻繁な遅刻だという。

遅刻くらい、さんまさんも、ダウンタウンも若いときはしょっちゅうしていた。そんなことが解散の理由になるまい。いや、43歳、コンビ結成17年にもなる漫才師が遅刻となると、それは少し問題かもしれないが。

ただ、眠い眠い、遊び盛りの若手ではない。ほかの何かが原因だろう。

2人のモチベーションの違いということがありそうだ。

川西くんには、漫才に精進してこの道を究めたいという目標がありそうだ。対する水田くんには、漫才にこだわらず、いろいろなことに活動の場を広げたいという気持ちがあるようだ。

そういう点でふたりの漫才に対する熱の入れ方に違いが生まれたのだろう。水田くんの劇場遅刻というのはその表れだ。川西くんにはそれが単なる遅刻だと許せなかったのだろう。

もし大会の「中断」がなければ

和牛の漫才を語るうえで、M-1は外せないだろう。これほどM-1に愛され、翻弄された漫才師はいないと思う。

2015年から2019年まで、5年連続決勝進出。そのうち2016年から2018年まで3年連続準優勝という、すごい成績を残している。

2011年から2014年までM-1は中断している。「たられば」が許されるなら、もしこの中断がなくM-1が開催されていたら、はたして和牛はどうなっていたか……と考えてしまう。

決勝に進出して、すんなり優勝していたかもしれないし、まだ5年目ゆえ決勝に残れなかったかもしれない。

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