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ハレクラニ沖縄、「開業のプロ」が明かす誕生秘話 冬でも稼働率は8割「人で差別化できるホテル」

東洋経済オンライン / 2023年12月16日 8時0分

沖縄の海を一望できる絶好の立地に立つハレクラニ沖縄。沖縄屈指のリゾートホテルとなっている(写真:ハレクラニ沖縄)

富裕層インバウンドの増加を見据え、外資系高級ホテルの開業ラッシュを迎えている。今後5年で開業する高級ホテルの8割が外資系という驚きのデータもある。出店で劣後する中、国内系ホテルに巻き返し策はあるのか。

総支配人は、各ホテルの宿泊部門から朝食など食事までホテルのすべてを取り仕切る「顔」ともいえる存在だ。激変するホテル業界をどのように見つめているのだろうか。4人の名物総支配人を直撃する。

【過去の連載】
12月2日配信:パレスホテルに10年住む総支配人の「改装秘話」
12月9日配信:歌舞伎町で1泊10万円「高級ホテル」は成立するか?

今回は2019年に開業したハレクラニ沖縄の吉江潤総支配人だ。100年以上の歴史を持つハワイの名門ホテル・ハレクラ二は、1981年に三井不動産が取得した。

その2号店として2019年に開業したのが、ハレクラ二沖縄だ。リゾートホテルが立ち並ぶ恩納村の海岸線という抜群の立地に位置する。コロナ禍を除けば開業以降、快進撃が続いている。360ある客室(ヴィラを含む)の稼働率は8割程度、客室単価は9万円だ。

吉江氏は、ハレクラニ沖縄以外にもパークハイアット東京やザ・リッツ・カールトン東京など多くの有名ホテルの開業に携わってきた。業界からは「開業のプロ」とも呼ばれている。

これまで外資を渡り歩いてきた吉江氏だが、集大成に選んだホテルは三井不動産グループのハレクラニ沖縄だった。「開業のプロ」はなぜ最後に国内系ホテルを選んだのか、沖縄のホテルの強みはどこにあるのか聞いた。

ピークがずっと続いている

――オープン直後、コロナ禍に見舞われました。ホテルの運営に影響は?

【写真】294平米と広々としたスイートは客室からオーシャンビューを望めるほか、プライベートプールなども兼ね備えている

2019年7月に開業し、半年後にコロナの影響が本格化した。第1波はさすがに見通しが立たず、約1カ月(2020年4月から5月まで)は休業した。しかし第2波以降は、コロナ前に来ていた方や、ハワイのハレクラニを定宿にしていた方の宿泊があり、2~3割程度の稼働があった。

行動制限が解除された2022年3月からは、ピークがずっと続いている。本来、沖縄は7~9月がピークだが、1年半くらいはほぼ繁閑差がない。稼働率は8割前後で、足元の平均客室単価は9万円くらい、年間でも7万~8万円程度となっている。

宿泊客はカップルやファミリー層などさまざま。東京や京都と比べるとインバウンド客はまだ少なく1割台となっている。

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