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関係者たちが語る「あの日OpenAIで起きたこと」 シリコンバレー経営者のチャットでも大騒ぎに

東洋経済オンライン / 2023年12月17日 7時10分

ある日突然、理事会によって解雇されたOpenAIの創業者でもあるサム・アルトマンCEO。あの日いったい何があったのか。(写真:The New York Times)

11月17日の正午ごろ、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンはラスベガスの高級ホテルからビデオ通話にログインした。彼は、リアーナやカイリー・ミノーグを含む31万5000人の来場者を集めた初開催のF1レースのためにラスベガスを訪れていた。

OpenAIのチャットボット「ChatGPT」の成功によってハイテク業界にとどまらないスターダムに上り詰めたアルトマンは、その日、同社のチーフ・サイエンティスト、イリヤ・サツキバーとのミーティングを控えていた。しかし通話が始まると、アルトマンはサツキバーが1人ではなく、事実上OpenAIの3人の社外理事に囲まれているのを見た。

即座に、アルトマンは何かがおかしいと感じた。

クビ直後に即座に「方針転換」

アルトマンは知らなかったが、サツキバーと3人の理事は、何カ月も彼の背後でひそひそ話をしていたのだ。彼らは、アルトマンは不誠実であり、AIレースを牽引する会社をもはや率いるべきでないと考えていた。前日の午後に行われた電話会議で、理事たちはアルトマンをOpenAIから追い出すことを1人ずつ決定した。

そして、彼らはその旨をアルトマンに伝えた。自分が設立に関わったスタートアップから解雇されることにショックを受けたアルトマンは、「どうしたらいいですか?」と尋ねた。理事たちは彼に、暫定CEOをサポートするよう求めた。アルトマンは、そうすることを約束した。

数時間のうちにアルトマンは考えを改め、OpenAIの理事会に宣戦布告した。

アルトマンの失脚は、OpenAIの長年に渡る煮えたぎる緊張の頂点であり、AIのパワーを警戒する人々と、このテクノロジーを一生に一度の利益と名声の大当たりと考える人々とを対立させた。

分裂が深まるにつれ、組織のリーダーたちは互いにいがみ合い、敵対するようになった。その結果、理事会での争いに発展し、最終的にはAIの将来的な発展において誰が優位に立っているかを示すことになった。すなわち、シリコンバレーの技術エリートたちと、懐の深い企業の利害関係者たちである。

設立当時から対立する要素があった

このドラマは、OpenAIに130億ドルを出資していたマイクロソフトを巻き込み、その出資を守るために圧力をかけた。シリコンバレーのトップ経営者や投資家の多くも、アルトマンを支援するために動員された。

サンフランシスコにあるアルトマンの2700万ドルの豪邸から戦いに挑んだ者もいれば、ソーシャルメディアを通じてロビー活動を行ったり、プライベートなテキストスレッドで不快感を表明したりした支援者もいた。

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