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「言葉のプロ」が実践、感情が伝わる日本語のコツ 日本語は感情を緻密に設計できる言語だ

東洋経済オンライン / 2023年12月20日 15時0分

コピーライターのナージャさんが語る「日本語のめちゃくちゃおもしろいところ」とは(写真:ああ/PIXTA)

仕事をしていると、文章を書く能力がいかに大切かを痛感するもの。しかし、「伝わる文章」や「心を動かす文章」を書くのは、そう簡単なことではありません。では、プロはどんな思考法や、テクニックを使っているのでしょうか?

ショートショート作家として知られる田丸雅智さんが、谷川俊太郎さんや又吉直樹さん、俵万智さんなど各業界の「言葉のプロ」と対談する新著『言語表現の名手20人から学ぶ ことばの魔法』より一部抜粋・再構成してお届けします。

今回の対談相手:キリーロバ・ナージャ/コピーライター・作家
ソ連レニングラード(当時)生まれ。広告会社に入社後、様々な広告を企画、2015年に世界のコピーライターランキング1位獲得。絵本作品に『ナージャの5つのがっこう』『パンツはかせとはつめいのほうそく』(いずれも大日本図書)、『からあげビーチ』『ヒミツのひだりききクラブ』『じゃがいもへんなの』(いずれも文響社)、『6ヵ国転校生』(集英社インターナショナル)など。

日本語は、話すと自然と“笑顔”になる

田丸:ナージャさんは、2015年に世界のコピーライターランキング1位に輝いた実績をお持ちです。そもそもなぜ、日本の広告代理店に就職しようと思われたんですか?

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ナージャ:私はソ連生まれなんですが、実はソ連にはCMってなかったんです。「手を洗いましょう」とか啓発的なものはあったんですが、企業は国営なので宣伝する必要がなくて。だから7歳のころに日本に来て、初めてCMを見たんですね。「これ、なんだろう?」って不思議に思って。まだ日本語がわからない私でもCMだけはなんとなく理解できて、楽しく見られたんです。

一方、私は子どものころから住む国を転々としていて、けっこう逆境の毎日だったんですよ。アイデアや工夫で乗り切らなきゃいけない場面が多かった。それで次第にアイデアで解決することが得意になっていったんです。この特性を活かせることと幼いころから興味を持っていたCMに携われる仕事ということで広告業界に興味を持ちました。

田丸:でも、母国語ではない言語でコピーライティングをするって、とてつもなく難しいことでは……。

ナージャ:めちゃくちゃ難しいです。私、学校の授業でも国語が苦手で。100点満点のテストで5点をとったりしていましたから。

田丸:えーっ、そうなんですね。

ナージャ:コピーライターに配属されたのはなりゆきで。それこそ逆境の毎日でしたよ(笑)。

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