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クリスマスに100万台売る「ケーキ王」強さの源泉 シャトレーゼ創業会長が語る「驚きの生産現場」

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 12時30分

また、問屋を通さず、契約農家や農場から原材料を直接仕入れ、工場から店舗へ直接配送しているため、中間マージンをとられないことも大きい。

――全国的に店舗が増えると、直接仕入れ・配送を続けるのは大変では?

かえって量が増えたほうが楽だ。少ないと農家は相手にしてくれないし、量があるからロボットを導入できる。物流もスポットではなく年間を通してお願いしているので問題ない。好循環が生まれる非常に良い状態になっている。ここまでくるのが大変だったが。

――コンビニ各社がスイーツを充実させています。競合と意識しますか。

専門店とは品質が違うので競合にならない。コンビニもシャトレーゼの商品がほしいと言ってくる。ただ、コンビニだと単品ずつの取扱いになるが、シャトレーゼの店舗には何百種類もの商品を置いている。これは大きな違いだ。

――出店を急拡大させています。

FCの出店希望者が多く、年間100店のペースで増やしてきた。ただ、生産が追いつかない状況になってきた。工場をいろいろなところに確保しているがまだ時間がかかるので、いったん出店を絞ろうと考えている。

一方で、1店あたりの売り上げを増やさないといけない。シャトレーゼのお菓子は家庭消費向けのおやつとしての需要が大きいが、これから人口が減っていくことも見据えて、ギフト向けの比率を増やしていく。2019年に立ち上げたプレミアムブランド「YATSUDOKI」もその一環だ。

――ギフトとなると価格帯の高いものを求められそうですが、価格設定はどうしますか。

とかくみんな(ギフトを選ぶときに)値段でこれくらいのものと考えるが、値段ではなく、美味しさや見た目など「これは素晴らしいな」という価値をシャトレーゼらしく求めていく。

上場しないのがシャトレーゼの強み

――新たに国内で取得した3工場を来年稼働させるなど、生産増強を進めています。今後、資金調達などを目的に上場する可能性はありますか。

上場はしない。資金調達などはあまり関係ない。上場していないのはシャトレーゼの強みだ。昔は上場して一人前という風潮があり、約20年前には上場準備を進めていた。だが、「よし、やるぞ」というときに考え直し、土壇場で回避した。

シャトレーゼはお客様が第一。上場すると、お客様のために商品を安くするよりも、配当を増やすことを求められる。最近は、物言う株主が多く、MBO(経営陣による買収)をする動きもある。マネーゲームに巻き込まれたら大変だ。

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