「初日の出を拝む」は意外に新しい習慣だった 実はよく知られていない"正月行事のしきたり"
東洋経済オンライン / 2023年12月28日 9時40分
それ以前の元旦は、年神様を迎えるために家族で過ごし、「四方拝(しほうはい)」といって東西南北を拝んでいたのだそうだ。
昔は家長が神社で年越し"一年のケジメ"
【初詣】本来は、氏神様にお参りするものだった
年の初めにお参りをすると「めでたさ」が増すということで、新年を迎えると各地の神社・仏閣は初詣をする人で賑わう。
大晦日の除夜の鐘(残念なことに、近年は騒音だというクレームも増えているようだが)を聞きながら家を出て、元旦にお参りを済ませて帰ることを「二年参り」という。
昔は一年のケジメとして、一家の家長は、大晦日の夜から神社に出かけて、寝ないで新年を迎えるのが習わしでした。そのころ、家族は自分たちが住んでいる地域の氏神を祀っている神社にお参りしていました。
やがて、伊勢神宮や出雲大社などの有名な神社に出かけたり、その年の干支によって年神様のいる方角、つまり恵方が縁起いいということで、恵方に当たる社寺に出かけて初詣をする「恵方参り」がさかんになりました(38ページより)
ご存じのとおり現在では恵方参りの習慣はなくなり、明治神宮、成田山新勝寺、川崎大師、住吉大社など、各地の有名社寺に出かけてお参りをする人も多くなっている。
【門松】神が宿る木を門前に立てる
正月になると、玄関前や門前に「門松」を立てる家は多い。左右に一対並べるのが一般的で、玄関に向かって左側の門松を「雄松(おまつ)」、右側を「雌松(めまつ)」と呼ぶ。
もともとは新年を迎える際、年神様が降りてくるときの目印として、杉などの木を立てたのが始まりだ。
とくに松が飾られるようになったのは平安時代からです。
これは松が古くから神の宿る木と考えられていたためで、この時代の末期には、農村でも正月に松を飾るようになったといわれます。さらにここに、まっすぐに節を伸ばす竹が、長寿を招く縁起ものとして添えられるようになりました。
現在のように、玄関前や門前の左右に一対立てるようになったのは、江戸時代ごろからです(39ページより)
門松は12月28日ごろに立てるのがよく、29日に立てるのは「苦立て」、31日ぎりぎりに立てるのは「一夜飾り」といわれ嫌われる。
立てておく期間は、一般的には7日までの「松の内」の間。ただし5日、10日、15日と、地域によってまちまちであるようだ。
【しめ飾り】家のなかを、神を迎える神聖な場所に
正月近くになって玄関口や家の神棚などに「しめ飾り」をするのも、門松と同じく正月に年神様を迎えるための準備。
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