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「初日の出を拝む」は意外に新しい習慣だった 実はよく知られていない"正月行事のしきたり"

東洋経済オンライン / 2023年12月28日 9時40分

もともとは、神社がしめ縄を張りめぐらせるのと同じ理由で、自分の家が年神様を迎えるにふさわしい神聖な場所であることを示すために、家のなかにしめ縄を張ったのが始まりでした。

かつては、「年男」と呼ばれる家長が、しめ縄を家のなかに張る役目を担いましたが、やがて、そのしめ縄が簡略化されていき、現在のようなしめ飾りや輪飾りになっていきました(40ページより)

しめ飾りは、しめ縄にウラジロ、ユズリハ、ダイダイなどをあしらってつくられる。

ウラジロは常緑の葉であることから長寿の願いが、ユズリハは新しい葉が出てきて初めて古い葉が落ちることから、次世代に家系を「譲って絶やさぬ」という願いが込められている。

ダイダイは家が代々栄えるといったことから、縁起ものとして正月飾りに使われるようになった。

「鏡餅」はなぜ丸餅を2つ重ねるのか

【若水】元日最初の水汲みで一年の邪気を払う

元日の早朝に、最初に汲む水を「若水」といいます。平安時代の宮中では、立春の日(当時の正月元日)の重要な行事であり、やがて元旦の行事として庶民の間にも広まっていきました(42ページより)

年頭にあたって若水を汲むことを「若水迎え」といい、できるだけ遠くに汲みに行くほど吉とされ、水を汲む途中で他人に出会っても、話をするのは厳禁だったという。

それほどまでに「水」にこだわったのは、年神様に供えたり、雑煮をつくったりするのに使ったから。また、この若水を飲めば、一年の邪気を払うことができると信じられていたからでもあるようだ。

【鏡餅】なぜ丸餅を2つ重ねるのか

正月に餅を食べる習わしは、中国で元旦に硬い飴を食べる習慣にあやかり、宮中で「歯固め」の儀式として始まったことに由来する。

だが日本ではそもそも、餅はハレの日に神様に捧げる神聖な食べ物と考えられていた。そこで室町時代以降、正月に年神様に供える目的で、床の間に「鏡餅」を飾る習慣が定着していったのだ。

鏡餅は、半紙を敷いた三方(三方の側面に透かしのある四角形の台)に、大小二つの丸餅を重ねてのせ、ダイダイ、昆布、ウラジロ、ユズリハなどを添えるのが一般的です。ダイダイ、ユズリハは、しめ飾りと同様の理由で用いられ、昆布には「子生」「子生婦」という字を当てることもあることから、子孫繁栄の願いが込められています。

ウラジロはシダの一種で、白い葉の裏を見せるように裏返して飾ります。その白さが「裏を返しても心は白い」という潔白と、「夫婦共白髪(ふうふともしらが)」という長寿のしるしであり、二葉が相対していることから、夫婦和合の象徴ともされています(44ページより)

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