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2024年の日本株は「方向感が出にくい年」になる 「甲辰(きのえたつ)」の年で考える日経平均

東洋経済オンライン / 2023年12月29日 14時0分

2024年はこの甲に辰が組み合わされることになる。この2つの文字が意味することは、『大地に根を張って伸びる草木』だ。木は一般的に生命力と穀物が豊かに実るシンボルだが、トゲのある草木や被れる草木もあるように、すべてが良い草木でなないことには注意したい。また、伸びる草木によって、世の中に刺激を与え、価値観を変え、成長させる可能性もあるが、実は、大地に根を張る草木が土の養分を奪い取って土地がやせてしまうこともあるのだ。

「甲辰」の意味するところは、ちょうど春になって、草木の芽がその殻を破って頭を少し出して伸び始めようとするが、まだ寒さが厳しくて、勢いよくその芽を伸ばすことができないのと同じように、「旧体制の殻を破って、(自然界と同じように)革新の動きが始まらなければならないのだが、いろいろな抵抗や妨害があるため、その困難と闘う努力をしながら、慎重に伸びていく(歩みを進めていく)」という意味になる。

以上のことから、2024年は、革新の動きが始まったばかりで方向感の出にくい1年になるとみている。

2024年の株式市場は、市場参加者の楽観や悲観が行きすぎる一方的な相場展開になることも充分に想定されるが、基本は上下の値幅が限定される比較的ボラティリティ(変動率)の低い展開になることを想定している。

参考までに、2024年の60年前である1964(昭和39)年を振り返ってみよう。 日経平均株価の推移をみると、1月の初値1204円、日本共同証券(1936年秋からの証券不況で供給過剰だった株式を買い上げるために設立された機関)の発足で1月29日1338円まで上昇した後は同証券の買い取り金額の規模の少なさから4月9日に1203円まで下落した。

その後、「1200円割れ阻止」で同証券が買い出動したため、7月3日には年初来高値1369円をつけた。だが供給過剰による需給悪化は止まらず11月9日には再度安値1203円(10月7日ザラ場は1196円台)まで急落したが、同証券の買いにより1200円割れを死守して年末は1216円で年を終えた。

結局、この年の年間騰落率は▲0.7%。日本共同証券の孤軍奮闘で、なんとか日経平均の底割れを阻止した年だったのだ。このように、1964年の甲辰の相場を例にとっただけでも、ものすごい年だったことがわかるが、ここで改めて「支」の辰と「干」の甲を別々に見ていこう。

辰年の上昇時は「ランドマーク開業」などがキーワード

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