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M-1誕生ストーリーで学ぶ、「需要創造の極意」 経営学者が斬り込む『M-1はじめました。』

東洋経済オンライン / 2024年1月13日 11時30分

谷:私が思っていたのは、吉本だけ、大阪だけで漫才コンテストをやっても、絶対にムーブメントは起こせない。全国ネットでやらないと、大阪のローカルイベントにすぎなくて、注目してもらえない。嘘みたいな話ですが、大晦日の紅白歌合戦の裏で、日本レコード大賞のようになったらいいなと。

楠木:最初から高い目標を据えることは大切です。ついつい、やりやすいほうに迎合してしまう。途中で、一緒に働く部下が「このプロジェクトをつくられたではなく、谷さんがつくったと言ってくれ」というあたりから、お仕事に対する取り組みも変わったというのも、いい話ですよね。

谷:嬉しかったですね。

M-1にアマチュアも参加できる理由

楠木:なぜアマチュアを参加させようと思ったのでしょうか。

谷:カラオケが裾野を広げたのと同じかなと考えました。それまでは一般の人は、プロの歌手の歌を聴くだけやったわけです。のど自慢はあったけれど、一握りの歌のうまい人が出る。それが、カラオケができて、一般の人も自分で歌う喜びを知った。下手でも歌えば気持ちいいし、うまい人はみんなに聴かせたい。お笑いも、一般の人の中で自分はおもしろいと思っている人が、特に関西にはいっぱいいます。それから、カラオケを自分で歌ったり、人の歌を聴くと、やはり歌手はうまいなと思う。

楠木:プロはなんでこんなに違うんだろうと考えさせられますよね。

谷:漫才も一緒ちゃうかなと。参加者を増やしたいということもあったけれど、実際に自分がやってみると、漫才師のすごさがわかってくるし、親しみも感じてもらえるのではないかと。そういう思いがありました。

(構成:渡部典子)

(後編は1月14日に公開予定です)

谷 良一:元吉本興業ホールディングス取締役

楠木 建:一橋ビジネススクール特任教授

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