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仰天!「おつり」を知らない子ども急増のリアル  スマホ社会は「慣れ親しんだ言葉」まで駆逐する

東洋経済オンライン / 2024年1月13日 10時0分

どのようなことを意識すれば、世代間のコミュニケーションの溝を埋めることができるのでしょうか(写真:mits/PIXTA)

スマホ社会の現代日本。

若者たちは黙々と動画やゲームの画面と向かい合い、用事は絵文字を含む超短文メールを素早く打つばかり。

時間を割いて他人と会って話すのは「タイパが悪い」とすら言う彼らと、「生きた」日本語の距離がいま、信じられないくらい離れたものになっています。

言い換えるならそれは、年配者との間の大きなコミュニケーションの溝。 

「日本人なのに何故か日本語が通じない」という笑えない状況は、もはや見過ごせませんが、「その日本人同士と思うところが盲点」と、話すのは、言語学者の山口謠司氏。

『じつは伝わっていない日本語大図鑑』と題された一冊には、日本人ならハッとする指摘が満載。

その中から、会話が通じない「落とし穴」になりがちな日本語の興味深い例を紹介してみましょう。

「何だこれ」と小銭硬貨を投げ捨てた子

いま、「おつり」を知らない子どもたちが大勢いるそうです。

【イラストでわかる】若者が戸惑う言葉、具体的には、たとえば「これ」だ

「おつり」という概念がわからないのはもちろん、現金そのものも見たことがない子さえいる、というのです。

まさかと思う方も多いかもしれませんが、しばらく前に、朝のNHKテレビ『あさイチ』でも、おつりを知らない子どもたちの急増問題を取り上げて、現状を伝えていました。

たとえば、ある小学校の2年生の教室。

先生が「100円で48円のガムと32円のアメを買いました。おつりはいくらかな?」と尋ねると、生徒たちは皆キョトンとして、「先生、おつりって何?」と口々に聞き返してくる――。

また、小銭硬貨を「何だ、こんなもの」とばかり、近所の川にジャラジャラと投げ捨てた男の子とか、持たされているカードを駅の改札で「ピッ」とすれば電車はタダで乗れると思っている女の子の例など、次々と飛び出してくる母親たちの証言――。

スマホやタブレットの普及により世の中全体でキャッシュレス化が進み、そもそもそうした子どもたちの若い親世代が、カード決済やコード決済を駆使し、電子マネーを当たり前のように使用しているため、買い物でも、「『おつり』を数えて出す」という行為をわが子に見せる場面も少ないのでしょう。

大半の日本人が、ほぼ一人一台、スマホなどのデバイス機器を携えるようになっている現代日本。そうした背景が、「おつり」というごく近しい言葉を消滅危機に向かわせているのは大変興味深いことです。

と同時に、「おつり」のSOSにとどまらず、社会や家庭に本来あった豊かな直接コミュニケーションの機会を、恐ろしいほどのスピードで減少させている「スマホ社会」が日本語に与える影響は、これからもっともっと大きく深くなっていくのではないかという懸念を持たずにはいられません。

「知らないモノ」から言葉の連想は無理

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