「母は癌、父はうつ、子は発達障害」娘の介護の顛末 大変な状況ほど、介護する側が意識したいこと
東洋経済オンライン / 2024年1月14日 9時0分
最近、ヤングケアラーやダブルケアなど、介護者の視点から介護をとらえた問題が、多く取り上げられている。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)が、若い人たちにも知ってもらいたい“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは「“介護する側”に問題が起きたときの対処法」。エピソードを元に、介護者に必要なポイントや姿勢、困ったときの対処法などについて解説する。
子どもを育てながら、近くに住む80代の両親の生活を見守ってきたA子さん(50代)。
彼女の母親は末期がんで、入院生活を経た後、数カ月前から自宅で療養生活を送っています。私は母親の在宅医として、A子さん家族と関わるようになりました。
いきなり始まった両親の介護
最初にお会いしたときのA子さんは、かなり追い詰められているように見えました。というのも、父親には以前からうつ症状があり、精神的に不安定な状態。精神科に通って薬を処方してもらっていました。
これまで、その通院を付き添っていたのは母親でしたが、末期がんとなった今、そうはいきません。結局、A子さんが父親に代わって、精神科に薬をもらいに行く状況に。それまで父親のことは母親に任せっきりだったA子さんは、突然降りかかってきた両親の介護に、パニックになりかかっていたのです。
さらにA子さんの子どもには発達障害があり、学校からたびたび呼び出される事態が続くなど、子育ての負担も重くのしかかっています。
両親の様子を見るために毎日、両親宅に顔を出してはいるものの、帰宅が少しでも遅くなると子どもが落ち着かなくなってしまうため、長時間の滞在はままなりません。
母親は余命宣告を受けながらも小康状態が続いており、幸いにも今のところは何とか日常生活が過ごせています。がん終末期に起こりがちな痛みもありません。
ただ、ベッドから起き上がってトイレに行くのには、介助が必要です。夜中にトイレに行くことも多く、オムツをしているものの待てずに漏らしてしまうときもあり、父親はそれが大きなストレスになっていました。
ヒステリーを起こす「うつ」の父親
父親は、調子が良いと問題なく生活が送れるのですが、ひとたび不安定になるとヒステリーを起こし、周囲が身の危険を感じるほどの状態になります。こうした父親の不安定な様子が、A子さんの心配をさらに膨らませていました。
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