サッカー協会・宮本恒靖新会長が直面する財政問題 元代表キャプテンの手腕はいかに?
東洋経済オンライン / 2024年1月14日 13時0分
「史上最強」との呼び声もあるサッカー日本代表は、14日からアジアカップ2023(カタール)に挑む。前回2019年UAE大会の決勝でカタールに苦杯を喫した森保一監督は5度目のアジア制覇を果たすべく、目の色を変えている。
【写真を見る】日本代表として共に戦った中村俊輔氏の引退試合に参加した宮本恒靖氏
ちょうど20年前の2004年中国大会でも日本は優勝しているが、当時、キャプテンとしてチームを牽引したのが、現在日本サッカー協会(JFA)専務理事を務めている宮本恒靖氏だ。
凄まじい反日ムードの中、重慶で行われた準々決勝・ヨルダン戦のPK戦で中村俊輔(横浜FCコーチ)と三都主アレサンドロが劣悪ピッチに滑って連続ミスしたのを見逃さず、主審に「これはアンフェアだ」と詰め寄り、ゴールを反対のものに変えさせたのが彼だった。勇敢な行動力と高度なリーダーシップには日本中から称賛の言葉が贈られた。
40代の若さで日本サッカー界のトップに
その宮本氏が今年4月にJFA会長に就任することになった。彼は昨年11月に次期会長選挙に立候補。対抗馬が立たなかったため、唯一の候補者として12月24日の臨時評議員会で「会長予定者」として承認された。田嶋幸三現会長の後任として今春から40代の若さで日本サッカー界のトップに座ることになる。
宮本氏の経歴は実に輝かしい。1977年、大阪府富田林市出身の彼はガンバ大阪ジュニアユース時代から年代別代表に選ばれ、1993年U-17W杯(日本)、1997年U-20W杯(マレーシア)、2000年シドニー五輪と年代別世界大会を総なめにし、2002年日韓・2006年ドイツ両W杯に参戦。日本代表として全年代の世界大会を総なめにしたのは中田英寿、小野伸二、久保建英(レアル・ソシエダ)ら限られた選手しかいない。
しかも宮本氏は2度のW杯でキャプテンマークを巻いている。その後、オーストリアのザルツブルクでもプレー。国際経験も積み重ねた。ヴィッセル神戸でプレーした2011年に現役を退いたが、まさにエリート中のエリートと言っていいキャリアを歩んだのだ。
当時は高卒でJリーグに進むのが成功例と言われたため、大学進学が難しかったが、宮本氏はプレーしながら同志社大学を卒業。文武両道を実践した。
若かりし日の彼は、「僕はサッカーも大事だけど、勉強も大事。大学の人間関係もものすごく貴重」とサラリと語り、サッカー一辺倒の選手とは一線を画していた。
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