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「健康診断の数値」を気にする50代が失うもの 一昔前の医学の常識を信じているかもしれない

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 17時0分

健康診断の数値を気にし過ぎるのも考えものです(写真:dorry/PIXTA)

仕事・お金・健康・生きがなど50歳を過ぎると、今後の不安がどうしても頭をよぎります。特に50代ともなれば、急に気になり始めるのが「健康」で、会社などで受ける検診結果にドギマギしているという人もいるのではないでしょうか。

が、高齢者の健康についての著書も多い、精神科医の和田秀樹さんは「検診の数値は気にしなくていい」と断言します。その理由を、和田さんの新著『50歳からの脳老化を防ぐ 脱マンネリ思考』より、一部引用・再編集してご紹介します。

50代の老いの自覚は曖昧なもの

50代の方なら覚えがあると思いますが、「このごろ疲れやすくなった」「熟睡できない」「根気が続かない」「どうもやる気が出ない」といったさまざまなの身体や心の不調、これといった病気もなく、体力だってまだまだ十分なのに、ちょっとしたことで「老い」を自覚することが多くなります。

といっても50代の老いの自覚は曖昧なものです。

以前の自分(20代や30代の自分)と比べてみたり、同世代の友人や仲間の中でも若々しくて元気な人間と比べてみたりして、「やはり齢のせいかな」と思いこもうとします。

齢のせいにすれば「仕方ない」とか「まあぼちぼちやっていこう」と自分を落ち着かせることができます。「何かの病気が隠れているんじゃないか」と思うより安心できるからです。

逆に言えば、「まさかと思うけど、やっかいな病気にはなりたくない」という気持ちがつねにあります。あとわずかですから、定年までは何とか勤め上げたいと思うからです。ここで重い病気にでもなったら、人生設計を大きく狂わせてしまいます。

数値を気にした途端待ち受ける地獄

そこでつい気にしてしまうのが健診の数値です。

主に血圧、血糖値、コレステロール値などですが、50代というのはいろいろな数値に異常が出始める年齢ですから、健診が近づくとお酒を減らしたり甘いものや脂っこいものを控えたりする人が結構います。

もちろん気休めですが、それくらい数値を気にするのです。なぜなら一般的な健診で数値の異常が出ると、要精密検査となります。混雑している大きな病院まで出かけて検査を受けなければいけません。これだけでも憂鬱になります。

そしてたいていの場合は、検査データをもとに医者の診断があり、ほぼ間違いなく薬を処方されます。血圧や血糖値やコレステロール値を下げる薬です。

「あーあ、とうとうわたしも薬を飲む身体になってしまったなあ」とガッカリします。しかもさまざまな注意や指導を医者から受けます。

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