「財務力が強い上場企業ランキング」トップ300 財務面から企業を評価、東京エレクトロンが1位
東洋経済オンライン / 2024年1月15日 7時40分
企業の財務面の総合力を見るために作成している「東洋経済財務力ランキング」。今回は18回目の発表で、成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーで、それぞれの財務指標(3年平均)を多変量解析の「主成分分析」で相対評価し、各得点を合計して作成している。
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使用している財務指標は、財務諸表分析では基本的な項目が中心だ。このうち収益性、安全性、規模の3つの得点は「CSR企業ランキング」の財務得点としても使っている。
対象は2023年9月1日に上場している一般事業会社(銀行、証券・先物、保険、その他金融は除く)で2023年3月期までの財務データを対象に成長性、収益性、安全性、規模の4つの得点が算出できた3240社だ。今回は、このうち上位300社をご紹介する。
4年ぶりにトップになった東京エレクトロン
ではランキングを見ていこう。トップは4年ぶりに返り咲いた東京エレクトロンで総合得点は3913点だった。同社は半導体製造装置で世界3位。成長性965点、収益性948点、安全性1000点、規模1000点と各分野とも高得点で昨年2位から順位を上げた。
世界的な半導体市場の拡大で売上高は2021年3月期の1兆3991億円が2023年3月期には2兆2090億円と57.9%上昇。営業利益も同3206億円から6177億円に倍増するなど成長性得点が昨年901点から965点に大きく伸びた。
2位は昨年首位の中外製薬(3872点)がトップからダウンした。12月決算のため、2022年12月期までが対象で成長性924点、収益性948点、安全性1000点、規模1000点と安全性、規模がとくに高得点だった。
売上高は2019年12月期の6861億円が3年後の2022年12月期には1兆2599億円と83.6%増加した。純利益は同じく1575億円から3744億円に2.38倍となっている。売上高営業利益率、ROE、ROAなど利益率の高さで収益性得点も高レベルとなっている。
ただ、2022年12月期まで業績に貢献したコロナ治療薬「ロナプリーブ」も2023年12月期は売り上げが減少。ここ数年見られた高成長は難しくなってきた。
3位の日本郵船は昨年8位からランクアップ
3位は日本郵船が、昨年8位からランクアップ(3843点)。ばら積み船の市況高騰や物流事業の運賃上昇などで売上高は2年で1.6倍に。昨年も156位から8位に急上昇したが、今年はさらに上がりベスト3入りとなった。
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