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「長期投資の肝!」時代のど真ん中産業の見極め方 ターゲット業界を間違えれば成果は出ない

東洋経済オンライン / 2024年1月16日 8時30分

というのも、ソフトバンクグループのベンチャー投資のビジョンファンドの運用成績によって、兆単位で営業利益の数字が上下にぶれてしまうからです。非製造業のこうしたもろもろを割り引いて考えると、日本は非製造業ではなく、製造業で成り立っている国ということがご理解いただけるのではないでしょうか。

製造業のうち、特に中心的な存在として日本を支えている業種を見ていきましょう。売上トップ3は、1位が輸送用機器(自動車)の約121兆円、2位が電気機器の約91兆円、3位が化学の約46兆円です。

では、本業で稼いでいる金額がわかる営業利益はというと、1位が輸送用機器の8兆6616億円、2位が電気機器の7兆8324億円、3位が機械の3兆6769億円となります。

これで日本経済に大きな影響を与える業種がわかりました。

しかし、これだけでは横断的な知識を得られただけにすぎません。現実の社会では、さまざまな業種が複合的に絡み合った結果、消費者にサービスという形で届けられます。個別の業種の数字を見るだけでは、そうした実態は見えてきません。

たとえば、金融は資金調達という点でどの業種にも関わってきますし、商社は材料調達で多くの業種に関わります。横断的知識ではなく、実態に即した産業構造は、企業の事業活動を価値創造のための一連の流れとしてとらえる「バリューチェーン」という考え方をするとわかりやすくなります。

産業のバリューチェーンの考え方を知ろう

この考え方を提唱したのはアメリカの経済学者マイケル・ポーター氏で、「バリュー=価値」「チェーン=連鎖」であるところから、日本語では「価値連鎖」と訳されます。企業の事業活動は、原材料の調達から製造、流通、販売、さらにはアフターサービスまで多岐にわたります。

それぞれの事業活動がさまざまな役割を担い、価値を創出しているわけですが、こうして生み出された付加価値は、個々の事業活動が生み出した価値を単純に足し算したものではありません。それぞれが複雑に絡み合って生み出された連鎖(=チェーン)による価値(=バリュー)というのが、バリューチェーンの考え方です。

次の「産業の構造(バリューチェーン)のイメージ図」を参照してください。まず、原材料を原産国から輸入したものが素材メーカーに流れていきます。そこではたとえば鉄板や鉄骨になったり、化学製品を作るための基礎製品になったりします。これらが部品メーカーや、製品製造のための機械製造、もしくは加工・組み立てを担う工場に流れていき、小売を通じて消費者に届けられます。

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