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能登半島地震の甚大な被害はなぜ起きたのか 対岸の火事ではなく考えたい「立地のリスク」

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 7時40分

筆者は1月4・5日、被害が限定的で周囲への影響が小さいと考えられた金沢市内を緊急調査し、ブログにレポートをまとめた(写真:筆者撮影)

2024年(令和6年)1月1日の16時10分ごろ、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震「令和6年能登半島地震」が発生しました。能登半島では、2018年頃から地震が増加傾向で、2020年12月ごろから地震活動が活発とされて以降、概ね3年が経過しています。

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ほかの地域の地震とは異なり、地下に存在する「流体」が上昇することによって群発地震が起きた可能性が指摘されており、継続的に地震に警戒が必要な地域であると言えます。「流体」は地下深くにあった水などと考えられていますが、その正体はまだ判明していません。

能登地域における大きな地震としては、2007年能登半島地震(マグニチュード6.9、最大震度6強)、直近でも2023年5月5日の地震(マグニチュード6.5、最大震度6強)が発生していました。

大きな被害をもたらした原因の考察

筆者は被害が限定的で周囲への影響が小さいと考えられた金沢市周辺で、1月4~5日に現地で被害実態の緊急調査を実施しました。能登地方については、まだ個人が立ち入りできる状況ではなかったので訪れませんでした。

能登地方における甚大な被害については現状のところ得られている情報や、筆者が昨年5月の地震で珠洲市付近の被害を調査した結果から、以下のような原因が考えられます。

■地震の規模

まずは、非常に大きな地震、強い揺れであったことが特徴的です。

兵庫県南部地震(震災名は阪神:淡路大震災)や熊本地震(本震)はマグニチュード7.3でしたので、能登半島地震のマグニチュード7.6と比較すると数字は0.3しか変わりません。

しかし、マグニチュードは1大きくなるとエネルギーは32倍も大きくなりますので、兵庫県南部地震や熊本地震(本震)よりエネルギーが約2.8倍も大きかった地震でした。

そのような近年でも有数の巨大な地震が、陸のすぐ近くの浅い地下で発生しました。沿岸部の海岸線85kmが隆起、最大3mも隆起するような桁違いのエネルギーにより、非常に大きな地震動が発生したことが、まず被害の原因として挙げられます。

■地震波の特徴

かつ、防災科学技術研究所が公開するデータによると、輪島市などでは1.0~2.0秒の「やや短い」周期の地震波が襲っていました 。

このような地震動は「キラーパルス」とも呼ばれ、古い戸建て住宅、特に被災して耐震性能が落ちている住宅が被害を受けやすい地震波でした。地震自体の規模に加えて、地震波の特徴が被害を増加させた可能性も考えられます。

重なったさまざまな要因

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