なぜ株価はほとんどいつも上がっているのか? ただし「10年に1度の暴落」も近いかもしれない
東洋経済オンライン / 2024年1月20日 20時30分
その理由は何か。
「どうせオバタのことだ。要は『それはバブルだから』ということだろ」と思われるだろうが、今回の小幡は違う。バブルであることもそうなのだが、もう少し細かい構造と投資家心理の話をしよう。
まず、第1に、株価というものは、普通の時は右上がりを続け、ある瞬間、暴落が起きて、一気に調整する。そして、そこから上昇トレンドを再開する。この繰り返しなのだ。
おおむね、9割の期間、小さい上げ下げを繰り返しながら(典型的には3四半期、9カ月上がって、1回四半期で下げて、また3四半期上昇する)、上昇を続け、突然暴落し、1割の期間で調整する。「10年に1度、金融危機が来る」というのはそういうことなのである(ラリー・サマーズ元財務長官は、2008年のリーマンショックの時に『100年に1度の危機は10年に1度来る』という名言を残した)。だから、基本、多くの場合、株価は上がっている。
それで、株式投資が好きな個人は、いつも上がるから、上昇トレンドに乗ろうとする。株式投資をしない人々(だから、普段は株価水準など気にしない)は、暴落のニュースだけをテレビなどで見て「ああ、株って怖いな」と思って、株式投資を避ける。
個人向けのファンドマネージャーも、基本は買い続ける。なぜなら、買いトレンドが起きているときしか、つまり、上がり続けているときしか、個人は投資を増やそうとはしないからだ。
「これから株を始めてみよう」と思って投資信託を買う人は、そういうときしか、重い腰を上げないし、避けていたところに、恐る恐る近寄ってこないものだからだ。そして毎日「日経平均がいくら上がったか」を急に気にするようになる。
そうすると、「あ、今日は日経上がった、自分のファンドも値上がりしているだろう」、と思って、ファンドの基準価格や自分の資産の時価を見ると(ネット口座になって、本当にリアルタイムの自己資産がわかるようになり、こういうことは便利になった)、「あれ、あんまり上がってない。なんだよ!」などと、怒りを証券会社やファンドマネージャーにぶつけたくなる人も多い。
証券会社からは「リスク分散や、リスク回避のためにディフェンシブな銘柄が多かったり、株式以外の資産も入っていたりするのです」などと説明されるかもしれない。顧客にとってみれば「そんなのよりも、ちゃんと上がる商品を売ってくれよ!」となる。
だから、個人には日経平均に連動性が高く、流動性やボラティリティ(変動率)の大きい大型株が人気になるし、投資信託も値動きに勢いがある「成長系」などが人気になる。ファンドマネージャーや運用会社、それを取り次ぐ証券会社は、それが正しくないと思っていても、そういうものを組成し、運用し、売りまくるのである。
「プロ」運用者の手法も、個人と大差なし
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