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拝啓ヴィレヴァン様、"復活の秘策"を考えました 無機質な雑貨屋になってしまわないために…

東洋経済オンライン / 2024年1月20日 18時30分

権限委譲の強みは何か。それは、もっとも近い立場でその店に来る客と話している店長が店の決定権を握ることで、その地域の顧客にとって本当に望まれる店舗を作り上げやすいことだ。「毒」の話でいえば、顧客とのコミュニケーションによって、現代における「毒」をもう一度発見することができるのではないか。

しかし、SNS上で「POSシステムの導入以後、各店の裁量が無くなってきた」という指摘もある。同社でPOSシステムが導入されたのは2012年5月頃のこと。過去の取材記事を見ていくと、

「店舗ごとの個性とマーチャンダイジング(客の需要に応じた商品を適切に提供するための企業活動)策を両立させるべく導入したPOSシステムにより、全国約400店舗の販売情報を集計する基幹系業務システムを構築。約130万アイテムに渡る売上データを詳細に分析し、売れ筋を中心とした客の需要を把握することで、需要に応じた商品の提供を行ってきた」(ITmedia エンタープライズ)

などの記述が確認できる。ヴィレヴァンに限らず、過剰在庫は小売業にとって永遠の課題だ。POSシステムはその改善に寄与するから、取り入れたのも、納得ではある。

それでも、せっかくの「権限委譲」を捨ててしまうなんて、もったいない。ヴィレヴァンが現代に即した「毒」の空間を作るには、「権限委譲」の徹底が必要であろう。

そのうえで、この権限委譲の徹底を現実的な店舗戦略に落とし込むために、次のような提言をしてみよう。それは、「ヴィレッジヴァンガード ライト」と「ヴィレッジヴァンガード ポイズン」という2つの業態に店を分けてしまうことだ。

「ヴィレヴァン ポイズン」とは?

私はいったいヴィレヴァンにとってなんなんだ、という気になってくるが(こんな提言をしているのだから、ひとりのファンであることは間違いないが)、ショッピングモール型のヴィレヴァンを「ヴィレッジヴァンガード ライト」、路面店型のヴィレヴァンを「ヴィレッジヴァンガード ポイズン」にするということだ(「ポイズン」は「毒」)。

先ほども確認した通り(そしてSNSで多くの指摘があった通り)、ヴィレヴァンの「毒」が薄れたのは、イオンモールなどのショッピングモールへの出店が大きかった。

では、ショッピングモールから撤退して、路面店のみの経営を行うのがいいか。それは現実的ではない。ショッピングモール店舗がヴィレヴァン全体に占める割合はとても大きいし、何より上場企業であるヴィレヴァンにとって、そのような大胆な変更は株主が許さないだろう。

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