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「部分最適」でDXに失敗する企業に必要な視点 成長と競争優位獲得を実現する「再配線」とは

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 10時0分

日本企業では、中期経営計画などでDXロードマップが示されるが、これは経営陣全員が合意を表明し「契約を交わす」ためのものであるべきと考える。実際、ロードマップは経営陣が変革の遂行に向け責任を持って取り組むことを約束し、内外に向けて署名する契約書なのである。また、DXは究極の企業内チームスポーツであるため、最高経営責任者以下、誰もが重要な役割を担っており、円滑な協働なくして変革を成功させることはできない。

デジタル人材を早急に内部充足する

人材についてもRewiredが必要だ。

どのような企業も、「アウトソーシング」、「ベンダー丸投げ」では、企業を持続的に成長させ、競争優位を獲得することはできない。企業のDXとは、プロダクトオーナー、エクスペリエンスデザイナー、データエンジニア、データサイエンティスト、ソフトウェア開発者など、デジタルの専門知識を持つ優秀な人材を自社で抱え、彼らがビジネス部門の同僚たちと肩を並べて協働することを意味する。

適切なデジタル人材の確保には、他のどの優先事項よりも長いリードタイムを要するため、できるだけ早く取りかかる必要がある。最良のデジタル人材プログラムでは、採用だけにとどまらず、従業員への魅力的なバリュープロポジション(価値提案)の立案と実現、よりアジャイルでデジタルな人事プロセスの開発、そして優秀な人材がさらに活躍できる環境づくりまで徹底して取り組む。

どれだけ大胆な野心を持っているかにもよるが、DXに成功する多くの企業の場合、1~2年後には、社内のデジタル人材を70~ 80%に到達させるという目標を実現することができる。

なお、現在自社がどのようなデジタル人材を保有しているかを把握することは、思ったよりも難しい。日本企業においても有効な手段として、マネージャーによるトップダウンの評価、自己評価、オンライン技術テスト、技術面談などの手段を組み合わせて既存のデジタル人材のスキルを特定するという方法がある。

そして社内DX人材の特定後は、DXロードマップの将来の人材ニーズと照らし合わせ、人材ギャップを特定することが肝心である。その際に、実際の技術スキルだけではなく、柔軟性やコミュニケーション能力、協調性、そして最も重要な学習意欲など、デジタル時代において重要な内在的特性を見極めることも忘れてはならない。DXリーダー企業では、プロジェクト管理職のような、これまでウォーターフォール型開発と関連づけられていたカテゴリーの人員を削減し、ミドル層の“コードを書く人材“を増やすことで開発能力効率をプラス15%引き上げることに成功している。

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