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「部分最適」でDXに失敗する企業に必要な視点 成長と競争優位獲得を実現する「再配線」とは

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 10時0分

最後に、企業文化のRewiredについて触れておこう。

多くの経営者は企業文化の重要性を認識しているが、デジタル文化を構築するためにはどのような手段が必要であろうか? デジタル文化を育てるためには、リーダーに期待するリーダーシップの属性を明確にし、それらの形成の進捗を追跡することから始めることが必要である。

DXを進める際に、企業の組織文化に真っ向から取り組むことで、変革が成功するために必要な心構えや行動の変容を強化できる。出発点を定義し、定期的な調査を通じて進捗を測定することは、あるべき文化的属性に対する変革状況を理解する良い方法である。

DXは、他のどのタイプの変革よりもスキルの構築を必要とする。その理由は、変革のスコープと速度が組織全体に大きなプレッシャーをかけるためである。新しい才能の育成に向け、適切に設計し継続的に投資されるトレーニングなくしては、既存組織が変革への抵抗を引き起こすことになる。成功する企業は、必ず次の3つの基本的なスキル構築の取り組みに焦点を当てている。リーダーシップのスキルアップ、広範なチェンジマネジメントプログラム、そして重要な役職に対するリスキリングである。

変革の時代はすぐそこに来ている

以上、本稿ではDXを成功させ、企業を持続的に成長させ、競争優位を獲得するために必要なRewiredの考え方と具体的な方法について解説してきた。

これからの20年は、データ・AIの世界が続く。自社が持つ人、ノウハウ、技術とデータこそが差別化の源泉になる。それを理解し、いち早くRewiredしたものだけが、生き残れる時代がもう来ているのだ。

本稿がその時代を勝ち抜くための参考になれば幸甚である。 

黒川 通彦:マッキンゼー・デジタル、東京オフィス、パートナー

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