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航空機事故「責任は誰に?」の非難が無意味な理由 ブラックボックス解析で見えてくる意外な事実

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 12時30分

ここでひとつはっきりしているのは、実際に何が起こったのかを理解する前に、勝手な非難をするのはまったく無意味だということだ。悲劇の「犯人」を吊るし上げれば、ひとまずの満足は得られるかもしれない。そういう考え方のほうが人生はシンプルだ。

脊髄反射的な関係者叩きは、えてして醜い非難合戦につながる。ビジネス、政治、軍事の世界では、責任のなすりつけ合いは日常茶飯事だ。だが、当の本人には、まったく悪気がないことが多い。みな、本当に相手のせいだと思っている。

どんなミスも、あらゆる角度から検討して初めて、相反する出来事の表と裏を覗き見ることができる。その過程を経てこそ、問題の真の原因を理解できる。どんな間違いがあったのか知らないままで、状況を正すことなど不可能だ。

114便の事件は詳しく調査され、その結果、軍隊による民間機への不用意な攻撃を抑止する法整備が行われた。そして1984年5月10日、民間航空機の領空侵犯問題に関わる「シカゴ条約」の改正議定書が、国際民間航空機関の臨時総会において採択されている。

ブラックボックスの分析が、悲劇の再発防止に貢献した証だ。進化のための舞台はこうして整った。

マシュー・サイド:コラムニスト、ライター

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