「20代社員に助言請う」外資経営者、その"深い"意図 若手に学ぶ「逆転の発想」で新たな視点を得る
東洋経済オンライン / 2024年1月23日 19時0分
ネットで調べればたいていのことがわかる現代において、ビジネスの現場ではもはや「答え」を見つけることよりも、「問い」をつくり、「問いかけ」をしていくことがますます重要になっています。デザインコンサルタントとして10年以上にわたり日本のイノベーションを見続けてきた野々村健一氏は、良質な「問いかけ」をするためには「新鮮なインプット」からインスピレーションを得る必要があると語ります。
※本稿は野々村氏の新著『問いかけが仕事を創る』から一部抜粋・再構成したものです。
好奇心は、新鮮なインプットから
本来、誰もが生まれながらに好奇心を持っています。ただ、面白い問いかけを発想するために役立つ好奇心に、私たち自身がカギをかけてしまっていることが多いものです。
ハーバード大学の児童心理学者であるポール・ハリスによると、子どもが2~5歳の間にする質問の数は約4万個ということです。また、カリフォルニア大学の心理学者のミシェル・シュイナードによるとその頻度は多いときは2~3分に1問というペースにもなるそうです。あらゆるものに興味を持ち、疑問を持つ子どもは問いかけの達人であると同時に、観察の達人でもあります。
しかしその後、私たちは成長するなかで、自分の好みや学校での勉強内容、職業や周りの友人等に影響を受けながら、「注意を払うもの」を絞っていきます。そして、日常が忙しくなればなるほど、情報の取捨選択をしていきます。20代後半から30代に入るころにはだいぶこの整理が進んでいることでしょう。
これにはもちろんメリットもあります。多忙ななかで効率的に情報を得ていくことは必要です。ただし一方で、情報や視点が画一化してしまうという大きなデメリットもあります。
「追いつけ追い越せ」の時代には、皆が持つ情報にできるだけ早くキャッチアップする必要があったため、効率性を追求することも重要でした。しかし現在は、意志を持って視野を広げる必要があります。
良質なアウトプットのためには良質なインプットが必要なのです(この場合のアウトプットは「良い問いかけ」のことです)。アウトプットに多様性を求めるのであれば、インプットにも同じものを求めなければなりません。
「インスピレーション」は突然降ってこない
良質なインプットのことを、IDEO(アメリカのパロ・アルトに本拠を置くデザインコンサルタント会社/Appleの最初のマウスをデザインしたことで知られる)ではインスピレーションと呼び、とても大切にしています。
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