日本の大企業が「辞めた人」活用し始めた納得理由 ネットワークを作ることで得られるメリットとは?
東洋経済オンライン / 2024年1月24日 16時0分
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)という世界的なコンサル大手では、1年の中で2カ月の休職を取れるそうです。
休職期間には、ボランティアに参加する人や、WEBの勉強をしたり、家族との時間をゆっくり過ごしたりする人など、時間の使い方はさまざまで制約を受けません。
コンサル会社というと激務で成果主義、休職期間があると評価に大きく影響しそうな印象を受けますが、BCGではその休職期間がその社員の能力や価値を高め、業務の質の向上にもつながるとされているのです。
気づきを得られる「休暇」は社員への投資である
3つ目に、「休暇」です。休暇については、ボランティア休暇やチャレンジ休暇、サバティカル休暇、山ごもり休暇などさまざまな休暇制度を設ける企業が出てきています。
3年ごとに1カ月の有給休暇が取れる「サバティカル休暇」を取り入れている、ある東証プライム上場企業では、社員の方がいろんな使い方をしていたそうです。
ただ、制度を作った社長本人は、社員の方が勉強やリスキリングなど真面目な使い方のほか、育児休業の代わりとして使っていることに、違和感を持っていました。
「新しい体験をしてもらうことによって、いろんな気づきを得て、個人の人的な資本を高めてもらいたい」とその社長は言います。
休暇を与えるという「投資」によって社員がリフレッシュするだけでなく、会社が目指すビジョンの達成に向けて結果的により貢献してくれるというリターンの効用を理解しているからでしょう。
「離職」「休職」「休暇」といったそれぞれ違う角度ではありますが、「離れる」という効能を取り込もうとしている企業があることは確かです。
ある種、離れることにポジティブに向き合っている企業ほど、会社としての求心力が高く、離職が少なかったり、離職しても縁でつながっていたりするそうです。
これまでは終身雇用など「囲い込み型」で、同質的な社員を集めて同じ方向に動かすという経営が多かったですが、変化の激しい時代にもはや通用しなくなっています。
社員1人ひとりの能力を最大限に発揮してもらう、会社と個人が選び、選ばれるというお互いに依存し合わない関係を築けるかどうかが、競争力を分ける時代になってきたと井上さんは指摘しています。
戦前の日本ではもっとポジティブだった「転職」
キャリアブレイクの論文を出されている法政大学大学院政策創造研究科の石山恒貴教授にもお話を伺いました。
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