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冷ややか目線と期待、「ソニー・ホンダ」が貫く我流 1年の取り組みで見えた実験場としてのクルマ

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 7時40分

繰り返しになるが、AFEELAはソフトウェアで価値創造するための真っ白なキャンバス、エンジニアのプレイフィールドだ。そうした目線で見ると、一連の発表の意図がクリアに見えてくるのではないだろうか。

Epic Gamesとの提携の意味

例えば、「Epic Gamesとの提携」「Unreal Engine 5.3(UE5)への対応」といったキーワードが大きく訴求されることは、自動車産業寄りの価値観では理解できないかもしれない。

Epic Gamesが開発したUE5は、ゲームを開発するための基盤技術だ。このゲームエンジンにより、リアリティが大きく向上して本物の風景に近い映像をリアルタイムに描けるようになった。評価のカギは”リアルタイム”と”映像品位の高さ”にあり、UE5を扱えるエンジニアも数多くいる。

安全・安心のために贅沢なソフトウェア開発基盤を用意したうえで、そのリソースを活かして、車内の多彩なディスプレイ、空間オーディオシステム(360 Reality Audio)を通した表現力を提供できるようにしたい、ということだ。

では、具体的にどのようなクルマになるのか。

SHMはAFEELAのドライブシミュレーターをEpic Gamesと開発し、CES 2024では、AFEELAで街中を走る体験を行えるようにしていた。現時点では搭載するセンサーとの連動シミュレーションなどは行われていないため、単にパノラミックディスプレイや操縦桿タイプのハンドル、レバー類がどのように動くかを体験するだけのものにすぎない。

あくまでも「こんな表現もできるよ」という一例なのだが、その中ではテスラやアルファベット傘下のウェイモが得意とする”イメージトランスフォーマー”の応用があった。

イメージトランスフォーマーは、ADASがとらえている周辺状況を視覚的に再現したもので、車線レーンや信号、歩道、パイロン、自転車、歩行者などを表示する機能だ。「自動運転黎明期にあっては、ADASがどのように周辺環境をとらえているのかが視覚化されるだけでも興味をそそられる」(川西社長)。

シミュレーターでは、テーマ設定に応じてイメージトランスフォーマーで作り出した周辺状況のグラフフィックスに、エンターテインメント性の高いグラフィックス(街中を怪獣が壊しにくるなど)を重ね合わせるといった遊びが盛り込まれていた。

視点の先はSDVの開発エンジニアに?

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