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「日経平均バブル超え」になったら何が起こるのか 日本株高騰の背景と株式市場が待ち受けるリスク

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 8時30分

年初来の株価の推移を見ていると、日経平均が3000円も上昇する中で、中国の上海総合指数は1月3日の2967.25からずるずると値を下げており、1月22日には2756.34まで下落している。同様に香港ハンセン株価指数も年初には、1万6788.55だったのが22日には1万4961.18に下落している。中国関連の株式市場から資金が流出し、その受け皿として東京市場が高騰していると見ていいだろう。

こうした背景には、中国の景気減速懸念がある。昨年の中国は、5.2%の経済成長率を達成したが、今年はそこまで成長できるか懸念されている。構造的な不動産市場の不振、消費者物価指数の低迷といった現象が、日本のバブル崩壊時に似ているという指摘もある。2023年に引き続いて、2024年もまた民主主義国家グループと覇権主義国家グループによる軋轢は深まる一方だが、株式市場への投資行動にも大きな影響をもたらしているようだ。

2.「日銀によるETF買い」が支える日本株?

現在の日本株が回復した背景の1つに、日銀の「ETF買い」があることはよく知られている。日銀が日本株を支えるためにETFに投資を始めたのは、アベノミクスが始まる以前の2010年度下期だが、すでに13年も継続していることになる。日経平均がバブル超えに近づいているとはいっても、日銀のETF買いがなければ、日本市場はいまだに低迷を続けていたはずだ。

2020年には、年間の買い入れ額が過去最高の7兆1366億円になり、2021年も8734億円、2022年は6309億円と買い続けてきた。

すでに、2023年末時点で66.9兆円、最近では72兆円前後に膨らんでおり、その含み益は35兆円規模と報道されている。(日経クイックニュース、2024年1月23日配信「日銀はETF売却を始めよ 新NISAを邪魔する構造欠陥(永井洋一)」)。

日銀のETF買いによって、東京の株式市場の価格形成機能は大きく歪んだ、と指摘されており、実際に同記事ではアドバンテストの26.5%を筆頭にTDK21.5%、ファーストリテイリング21.3%が、実質的に日銀が所有していると指摘する。日銀による間接的な保有比率が5%を超える銘柄は、東証プライムの4割、649銘柄に相当する状態になっている。

日銀がこのETFを保有している限り、日本株は慢性的な「売り手不足」となり、株価が高騰しやすくなる。個人投資家は、どうしても割高な株式を買うことになってしまうわけだ。

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