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「日経平均バブル超え」になったら何が起こるのか 日本株高騰の背景と株式市場が待ち受けるリスク

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 8時30分

むろん、日本にも日銀によるマイナス金利脱却、超緩和政策からの脱出を目指していくリスクは残っているが、他の国と比較すれば消去法で日本が残る、というわけだ。IMFの景気予測でも、日本はさほど高い成長率を予測しているわけではないが、アメリカには依然としてハードランディングのリスクがあり、世界景気に対して若干の不安があるのは事実だ。

株価の予測は専門家もしばしば間違えることが多く、未来のことはわからないが、今年注目されているのは、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値をいつ超えるのかどうかだ。年初からわずか2週間ちょっとで3000円を超える上げ幅を見せており、最高値を超えるのは時間の問題だ。

問題は、その後平均株価がどうなっていくかだろう。株価が急速に上昇して、個人投資家の多くは自分も乗り遅れまいとして慌てて後追いで投資をする人が多い。しかし、これまでのパターンで言うと、個人投資家が投資した後に、株価が急落して含み損を抱えてしまう、そんなパターンが少なくない。いわゆる「ハシゴを外される」パターンだ。

バブル崩壊後の最高値はあるのか?

実際に、大手証券会社の2024年末の日経平均の予想株価を見ると、野村HDは3万8000円、SMBC日興証券が3万8500円、大和証券グループは3万9000円と予想しており、そろって年内にはバブル崩壊後の最高値を更新すると予想している。新型NISAの導入や賃金上昇を伴うベースアップなどに期待し、日銀も「金利のある世界」に舵をとることを期待してのことだ。

最近になって始まった春闘で、賃金がある程度上昇し、日銀が想定している実質賃金がプラスに転ずる、もしくはそれに近づくことがあれば、日銀はゼロ金利からの解除に踏み切るはずだ。

さらに、その上の利上げまで行けるかどうかは今後の展開次第だが、日本の正常化は投資家には魅力的だ。ヘッジファンドが、中国ショート・日本ロングに転換するきっかけにはなる。そういう意味では、2024年は日本経済全体から見ても「転換」の年と言える。

現在の日本株高騰の背景には、製造業にとってはプラス要因になる円安が影響しているが、最近は1ドル=120円台といったドル安円高に戻るのではないか、と予測する人も増えている。その背景には日銀の「マイナス金利脱却→利上げ」というシナリオがあり、以前のような円高に戻るのではないかと言われている。

しかし、その一方で新型NISAの導入によって、個人投資家の「買い」は年間0.7兆円~3.9兆円程度になると見込まれており、そのほとんどがいまのところ海外の投資信託やETFに振り向けられており、為替市場に与える影響は「最大6円」程度の円安圧力になると見られている(日本総研 2024年1月19日「新NISA、今後4年で最大対ドル6円の円安圧力に」)。

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