「日経平均バブル超え」になったら何が起こるのか 日本株高騰の背景と株式市場が待ち受けるリスク
東洋経済オンライン / 2024年1月31日 8時30分
とはいえ、日銀が急激に売却することはないだろう。現在の東証の時価総額は、2023年11月末時点で約6兆ドル(約900兆円)といわれているから、市場全体からみると日銀の保有残高70兆円前後は、さほど大きなものではない。しかし、将来的に金利が上昇すれば、日銀のバランスシートは悪化するとみられ、ETFを売却しなければならない状況に陥るかもしれない。個人投資家が割高な局面で買った株式が、日銀の売りによってまた損失を抱えるかもしれない。
3.地政学リスクへの警戒感?
日本株への資金流入が増えている背景の1つには、世界中に拡大した地政学リスクの高まりがある。ウクライナ・ロシア戦争の勃発によって、世界はいきなり戦争に直面することになったわけだが、そこに加えて、昨年末に起きたイスラエル軍によるガザ侵攻も、人々の地政学リスクに対して警戒感を煽ることになった。
ヨーロッパを中心に地政学リスクが高まっている中で、海外投資家は投資先の地政学リスクの高まりに注目する。欧州を避けてアジア、アジアの中でも台湾問題を抱える中国よりも日本ということになる。
結局、残るところは、日本市場やインド市場ということになり、投資資金の豊富なアメリカや日本などへの投資が増加する傾向にある。今後さらに地政学リスクが高まれば、少なくとも戦争を放棄している日本市場への注目が集まるのも自然と言える。
4.日本経済への期待度
OECD (経済協力開発機構)が2023年11月29日に発表した経済予測によると、世界経済全体の2023年の経済成長率は2.9%。2024年は2.7%、2025年は3.0%と予測。アメリカの成長率は2023年2.4%、 2024年1.5%、2025年は1.7%。対して日本は23年1.7%、2024年1.0%、2025年には1.2%に回復すると予測している。
英国が2024年0.7%、2025年1.2%と予想されているように、日本は先進国の中でもまぁまぁの成長率が予想されている。ヨーロッパのような地政学リスクが少ないだけ、大きなサプライズはないと考えられているようだ。
さらに、最近になって急浮上してきたのが、2024年最大のリスクとも言われるトランプ米大統領の再選という「もしトラ」リスクだ。保護貿易への回帰、気候変動対策への滞り、NATO脱退の可能性もほのめかしている防衛に対する方向転換などなど、アメリカの経済にも大きな影を落とす可能性が出てきた。
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