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ゆで太郎、丼スタイルで「のり弁」を提供するなぜ 令和に甦った、素朴で美味しい昭和ノスタルジー

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 12時0分

現在も販売しているミニのり弁は2020年11月に発売し、2022年4~8月にはミニサイズ以外に、より豪華な「満腹太郎のり弁」の単品とセット商品も展開。しかし、もともとそばがメインであり、フルサイズの丼はそこまで人気が出ないことから、現在はミニサイズのみを展開しています。ミニのり弁の売れ行きについて池田社長は「『まあ、こんなもんかな』と思う程度」と話します。安定感がある商品がゆえに、爆発的なヒットには至らないながらも毎日コンスタントに売れているそうです。

ゆで太郎が提供するのり弁の特徴は、揚げたてであること。朝昼の過度なピーク時を除き、揚げ置きはしません。冷めてもおいしいのがのり弁ではありますが池田社長は「弁当チェーンののり弁は、持ち帰るうちにフライがしっとりしてしまいます。一方、ゆで太郎ののり弁は基本的にできたてを店舗で食べていただくのが強味です」とし「その点は『弁当チェーンののり弁よりも、うちの方がおいしい』と自信を持っています」と胸を張ります。

ゆで太郎にはコアなファンが多く、中には1日2回、3回と来店する人もいるといいます。現在は2500人ほどの会員を擁するファンクラブもあります。当初は私設だったのですが、現在は池田社長自らが管理人を務める公認状態です。メンバーはさまざまで、一般の主婦から大学教授、オリンピックのメダリストもいるとのこと。

ファンクラブの意見が店舗運営に反映されたケースもあるそうです。例えば、セットメニューのコロッケを大根おろしに、かき揚げをワカメに変更できるようにしたのはファンクラブ会員の意見から。特に朝の時間帯には揚げ物を食べたくない人もいるようで、それなりに変更するケースがあるそうです。

シンプルなメニューでコアなファンをつかむ

池田社長はそばについて「うどんやラーメンのように、比較的どんなものにも合う食べ物ではない」と話します。つまり、アレンジの幅が少ない、シンプルな食べ物がそばなのです。そのシンプルな商品で戦いながら、こうした多数のコアなファンを獲得するゆで太郎には驚かされます。

同様にシンプルな立て付けで長らく愛され続けているのが、のり弁でもあります。前述したように、既存商品のブラッシュアップを欠かさないゆで太郎ですが、もはや「完成形」にも思えるミニのり弁をリニューアルする予定はあるのでしょうか。

池田社長によると「のり弁は、ほっかほっか亭がかつて発売してから40年以上もメニューが基本的に変わっていない怪物のような商品」とそこまでリニューアルの余地がないことを指摘しつつ、細かい点として国内の原材料への切り替えなどを検討しているといいます。シンプルな商品を洗練しながら成長を続けるゆで太郎とシンプルがゆえに支持され続けるのり弁の今後から、目が離せません。

鬼頭 勇大:フリーライター・編集者

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