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初の「出戻り総務官僚」が転職→復帰を選んだ本音 処遇に周りの反応…"リスク承知"で戻ってきた

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 7時40分

また一生働きたいと思っていたので、女性が働きやすいという職場では公務員がいいのかなと考え、グローバルに仕事をしたかったこともあり、国を選びました。

旧・郵政省を選んだのは、官庁訪問をする中で、職員と話が合ったのが大きいです。女性が多くて仕事がしやすそうで、当時は(民営化する前の)郵便局を拠点にした地域活性化ができないかとも思いました。

もともとデジタルやインターネットに詳しいわけではなかったのですが、仕事になれば勉強の連続になりますし。刺激的で、やりがいのある業務ができると感じて入省したという経緯ですね。

――やりがいを感じる仕事も経験し、順調にキャリアを積まれる中で、2022年夏に民間企業へと転職されました。どんなきっかけがあったのでしょうか。

プライベートと仕事の悩みが合わさり、さらに今は転職しやすい状況にもあると思ったのが理由です。

もともと主人も総務省の人間で、(私が退職する)1年前に転職しました。その時に生活のバランスが崩れたことが1番大きいです。

彼は夕方には家にいるようになりましたが、私はつねに終電に近い状態で、こういう生活でいいのか、と感じるようになりました。また役人同士だと機微情報を含めて話せますけど、彼は民間企業に行ったので、家で何を話していいか、距離感がわからなくなりました。個人的な生活に大きな変動があり、メンタル的に弱くなっていたと思います。

そうした中で、当時はスマホにマイナンバーカードの電子証明機能を載せる仕事を担当していました。スマホの構造やネットワークに関する知識が必要になり、「デジタルのことをほとんど知らないまま来たかもしれない」という反省を感じました。デジタルや民間企業の業態がどうなっているのかを見てみないと、自分の経験が全部上っ面になる。そんな思いもありました。

私は総務省に育ててもらった恩をすごく感じていますが、同じ組織に20年いると「ダレ」も出て、今後もモチベーションを維持して働けるのかという問題もありましたね。人生1回だし、1回民間企業で勤めようと思って辞めました。

転職活動を始めて1カ月で決まった

――総務官僚は、通信業界やコンサルへの転職も目立ちます。転職先はどう決めましたか?

普通に(転職サービスに)登録しました。採用する企業側は当然、これまでの役所での知見を生かしてほしいと思っているわけで、そうした理由もあって役人だと渉外系に行く人が多いです。

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