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イーロン・マスクが宇宙にこだわる本当の理由 タイパ・コスパの「対価」と国家という「重力」

東洋経済オンライン / 2024年2月5日 10時0分

僕や坂本さんは東吉野村っていう不便なところに越してきているわけだけど、不自由や不便があるからこそ、何が必要なのかが生まれてくる経験をして、ものづくりができるというのもある。それをローカリズムって呼ぶんじゃないかなって気がしています。

坂本:面白いね、それ。いやなんかさ、グローバル企業ってすごくいい感じの友達みたいに見えて、付き合い始めはいいけど実は敵みたいな状態やん。いいようにやられている感じというか。GAFA全般しかり、一見自由を与えられているように見えてるんだけど、実はものすごく管理された自由で、ある一定の枠から外には出られないように完全にコントロールされている。それによって、「うっすら対価くださいね」って言われてる状態で。そのうっすらが世界中から集まってくるとすごい量になっていると。

青木:対価っていうのは、お金だけでなく個人情報だったりというのもありますよね。

坂本:そうやな。捧げてる時間そのものもある。ぶっちゃけ、お金よりよっぽど大事なものを捧げるとも言える。マトリックスの世界みたいに、俺たちは仮想の世界を見せ続けられててプラグを抜くと現実の世界でベッドに横たわっている奴隷みたいな存在というね。一見自由を与えられたように見えるけど、プラグを抜いたらカオスな状態で全然自由じゃない。でも実際の世界っていうのは、プラグを抜いた外側にあるんだよね。不便だし、大変なことも多いし、課題も山積みだけど、そっちの方がリアルっていう構造が見えてきたような気がしてて。

栗原:問題意識を持ったときに、「プラグに繋がった世界」と「抜いた世界」とか、「敵」と「味方」とか分けてしまうと、結局相手側から見たら、自分と違う思想を押しつけてくる相手みたいになっちゃいますよね。そうではなくて、そのもう1個上の視点というか、どっちつかずみたいな感じでいないと、今度は逆にローカリズムに縛られてしまうようで難しいと思ったりもします。

グローバルとローカルの同居

坂本:言わんとしていることはわかるよ。それをちょっと知覚するのが入り口になるよな。それを超えると、全体像を踏まえた世界がなんとなくわかってくるゾーンがくる。敵を設定することで結束力を高めてきた日本があって、それを抑えるグローバリズムがあって、うまく搾取できる構造が作られていて……という舞台裏が見えてくるんだよね。

さらにそれをまた超えると、ある種の寛容さを持って「そういう事象も含めて俺らはどうやっていくんだ」「仮想敵を倒すのが一生かけてやることなのか?いや、そうじゃないだろ」という考えに至る。それを語っていかなきゃいけないことなんじゃないかと思う。

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