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イーロン・マスクが宇宙にこだわる本当の理由 タイパ・コスパの「対価」と国家という「重力」

東洋経済オンライン / 2024年2月5日 10時0分

青木:そもそも自分の中にもローカル、グローバルって同居してますよね。どっちが敵というわけでもない。「アメリカが」と語ってみたところで、多国籍企業の話をしているのであれば、それはもうアメリカですらないわけです。英語使ってるから、なんとなくアメリカっぽく見えるんだけど。

坂本:確かに。いや、それは語弊があったな。第3の存在だな、そういう意味で言うと。

青木:そうなんですよね。だから多国籍企業はアメリカ国民をも食い物にしたりしてるわけなんです。敵国は倒すけど、自国民は守るんだみたいな国民国家の時代とは異なる。そうなったときに『新しい階級闘争』にも触れられていたように、どこでも生きられるエニウェアな人と、ここじゃないと生きられないサムウェアな人への二極化が進む。グローバル的に生きられる人と、ローカルでしか生きられない人とも言えますね。

坂本:それでいくとさ、俺らはそのバッファーゾーンにいるって感じだね。

青木:バッファーゾーンにいるし、二極化しない方が自由で楽しいんじゃない?と思っている感じですね。

坂本:だから(東吉野村の)こてこての村社会的なもんにうまく順応できていない。間のゾーンをフラフラしてて、それが許容される時代になってきたって感じかな。

青木:フラフラした方がいいんじゃないか、それぞれの実感を元に生きた方がいいんじゃないって思っています。少なからずそういう人がいて、小さいながらも日本全国でコミュニティを作ったりして活動しているという現実もあると思うんですよね、グローバル化の一方で。『グローバリズムという病』については、病をどう捉えるかでもだいぶ違ってくるんじゃないかなと思っています。病を悪と捉えるか、一病息災であると捉えるかで全然違いますよね。

坂本:確かにその通りだね。平川さんが敵ではなく病って位置付けているのもうまいよね。病も敵とみなすこともできるし、ある種の同居人みたいな見方もできるわけだから、どういうスタンスで臨むのかってことだね。 

病とどう向き合うか

青木:少なくとも摘出すればオッケーっていう話ではないですよね。根治を目指すにも無理がある。そういうことを考えると、やっぱり全体をよくして病が必要以上に悪さしないように同居するっていう東洋的な思想がいるんだろうなと。

そのとき、どこまでを自己とみなすかっていうところもあると思うんです。自分だけでなく、同居してる家族や働いている職場、職場が置かれている社会的状況であったりとか、どんどん拡大する。だから人は集団を作るんだと思います。慎吾も坂本さんも会社を作っているわけですけど、自己の延長線上としての会社なんですよね。その自己っていうのは単なる自分という意味ではなくて、自分も地域も家族も含んだ社会全体のことなんだと思います。

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