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15年かけ「四国お遍路」やり遂げた人が語るリアル いろいろかかるが「宿と食事は節約可能」

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 12時20分

いつかは生きた「四国八十八ヶ所巡礼」。やり遂げた人が語る、かかったコストと得られたものとは?(写真:筆者撮影)

「四国八十八ヶ所巡礼」「四国お遍路」の人気は高い。政治家としては旧民主党時代の菅直人元総理が歩き遍路で結願(すべての札所を回り終えること)したし、今どきは“インバウンドお遍路”の姿も見かけるという。

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しかし、札所であるお寺は88もあり、すべてを打つ(お参りする)には四国4県をぐるりと回ることになる。「行ってみたいが、定年後に時間ができたら……」と二の足を踏んでいる人もいるだろう。

筆者も同じだった。もともと寺好き仏像好きで、現在のような御朱印ブーム以前に秩父札所三十四ヶ所観音巡礼を終えていた。しかし、四国霊場はその2.6倍も数が多い。まさに「時間ができたら」だったのだが、「まあ、行けるときに行けるだけ行こう」程度で回り始めたのが10数年前のこと。しかも、歩くわけではなく完全にモータリゼーション頼みだ。それでも継続は力なり、ようやく2023年12月に結願できた。

筆者は仕事柄、消費者が使うお金回りに目を配っている。結願を終えた今、四国八十八ヶ所巡礼でかかったコストと得られたものとの勘定をしてみたい。弘法大師様、バチ当たりでごめんなさい。

御朱印代だけなら2万6400円だが…

敬虔さが足りないと叱られそうだが、もともと「八十八ヶ所を巡礼せよ」とお大師様が命じたわけではなく、庶民が回り始めたのは江戸時代になってから。自由に生国を出て観光旅行などままならない時代に、庶民にとって神社仏閣参りは格好のレジャーだったはずだ。

お寺にとっても必ずお客が来てくれるのだから、八十八ヶ所の札所に入れるか入れないかの差は大きい。さらには飲食や宿泊で遍路道の周辺にもお金を落としてもらえる。この仕組みを最初に思いついた人は実に賢い。

まず最低限必要なコストから。本格的に巡礼用品を揃え始めるときりがないが、白衣と首からかける輪袈裟(わげさ)はあったほうがいい。「私はお遍路です」と周囲にわかりやすいからだ。いわば野球ファンが球場で贔屓チームのユニフォームを着るようなもの。それだけで気持ちが上がる。

札所にお参りした証しとして御朱印を受けるので、御朱印帳は必須だ。ものによって価格は変わるが、リーズナブルなものに抑えれば白衣と輪袈裟、御朱印帳で6000円くらいではないか。

御朱印を受けるために納めるお金は300円(御朱印帳の場合。掛け軸はもう少しかかる)。都合88カ所で2万6400円となる。

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