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インフレ下でも、あの商品がバカ売れする理由 これからの時代のヒットにつながる共通点とは?

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 18時0分

そんな思いから「レースボクサー」の提案に至ったといいます。稲積さんたちが手応えを感じたのは、初めてできたサンプルを社内で試着してもらったときでした。「穿いてみて気分がアガった」という声が寄せられるなど、男性たちの反応がとても良かったのです。

実際、2021年10月にクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で先行販売したところ、目標金額の30万円に対して、約700人が320万円分の「レースボクサー」を応援購入。その後、伊勢丹新宿店など3店舗とオンラインで販売を始めると、発売から10日で3カ月分の在庫が完売しました。

人が何に価値を感じるかはさまざまですが、自分の気持ちがアガるものに対しては、多少高くてもお金を出すものです。このレースの下着だけの事例ではなく、これまで一般的には女性の気分をアゲていたもの(下着、化粧、美容、ネイルなど)が今、男性の気分をアゲるようになってきています。

今後このジャンルで大ヒット商品が生まれてくることは間違いないでしょう。

コロナ禍で買い手の気分をアゲることで大ヒットした商品に「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」があります。販売スタートは2021年4月。コロナ禍で外に飲みに行きにくい状況も追い風となり、発売直後から話題が沸騰。わずか2日で、一時的に出荷停止となるほど人気になりました。

「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」のキャッチコピーは「まるでお店の一杯目!」。缶フタをフルオープンできるようになっていて、パカッと開けるとふわふわの泡が自然に湧き出てきます。飲み口が大きく開くので、まるで生ビールのジョッキのように飲めるというわけです。缶ビールなのに、まるでお店の生ジョッキのように楽しめるスーパードライ。

湧き上がる泡が気分をアゲて大ヒット

開発チームがこのアイデアを思いついたのは、消費者へのインタビュー調査で、「家飲みもいいけど、本当は家でお店の生ビールが飲みたい」「缶ビールはお店で飲むビールと比べると、気持ちの盛り上がりに欠ける」といったコメントが寄せられたことがきっかけだったといいます。

とはいえ、ビール缶をフルオープンにするのも、泡をたたせることも技術的には難しいはず。なぜ、アサヒビールはこのような商品を開発することができたのでしょう?

実は「フルオープン蓋」と呼ばれるアイデアが生まれたのは商品化の約10年前でした。しかし消費者インタビューでは「泡が消えてしまったビールみたいでマズそう」と不評で、製品化には至らなかったといいます。

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