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宝くじ「高額当せん続出」という売り場のカラクリ 「出る」と噂の売り場に並ぶ価値はあるのか

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 13時0分

(写真:Ryuji/PIXTA)

早く行きたいのに赤信号に引っかかってしまう、エレベーターで降りようとしたらちょうど自分の階にエレベーターが来てすぐに乗れた、コピーしようとしたらインクが切れた……なんかツイてるツイテていない、そんな日常にあふれる不思議な現象や「なんで?」とつい思う軽い疑問はありませんか。

そんな疑問をYouTubeチャンネル『謎解き統計学』で、「確率・統計」の事例とともに優しく解説するしている"統計のおねぇさん"ことサトウマイさんの書籍『はじめての統計学 レジの行列が早く進むのは、どっち!?』より一部抜粋・再構成してお届けします。

毎年あの宝くじ売り場で高額当せんが出るのは本当?

人気ユーチューバーのヒカルさんが投稿した、「高額当せん連発?1等7億円の年末ジャンボ宝くじを1000万円分買った結果」という検証動画が、800万回以上も再生されていました(検証結果は、1000万円分の宝くじを買って約230万円の当たりでした)。

【画像を全部見る】宝くじを60億円分を買ったときの当せん金額シミュレーション

誰もが一度は買ったことがある宝くじについて、そのカラクリを知っている人は少ないのではないかと思います。300円で数億円が当たるなんて夢のような話です。「当たるはずがない」と思いながら、「買わなきゃ当たらないから」と、冬のボーナスを握りしめて寒空の下「出る」と噂の宝くじ売り場に並ぶ。そんな光景を、毎年のように見ています。

多くの人は「宝くじを買ってもどうせ当たらない」と思っているのに、有名な宝くじ売り場の「高額当せん続出!」の文字とそこに並ぶ長蛇の列を見ると、不思議な気持ちになります。宝くじで3億円当たった人が、「キミも宝くじを買えば億万長者になれる」といっていたとしたら「そんなわけない」と思います。しかし、「昨年、あの店で買ったら100万円当たった。やっぱりあの店は出るから今年も並んで買おう」という人は、意外といるのです。

「宝くじを買えば億万長者になれる」という成功法則には「再現性がない」と思っているのに、「出る店で買ったら、当たるかも」と思ってしまうのは、おそらく統計リテラシーがないのではないかと思ってしまいます。

まず、宝くじの仕組みを簡単に説明しましょう。宝くじは総務省が所管しており、収益金は地方公共団体の財源に充てるものです。宝くじの販売総額のうち、賞金や経費などを除いた約40%が収益金として発売元の全国都道府県及び全指定都市へ納められ、高齢化・少子化対策や防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設・改修などに使われています。

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