今のニュースメディアに欠けている機能とは何か 「情報を提供するだけ」では未来はない
東洋経済オンライン / 2024年2月9日 10時10分
ラジオ受信機とラジオ放送技術ができてラジオ放送が生まれた。テレビも同じ。テレビというメディアは、テレビの放送技術と受像機が登場してから今日まで、今に至るまで本質的にほとんど技術的構造が変わっていません。一方、インターネット上のメディアの場合、特に2007年(日本では2008年)にiPhoneが登場して以降は、ハードウェアも伝える技術もどんどん進化する。その進化のスピードにメディアコンテンツのほうが広告も含め、全然追いつけていない。
だからオールドメディアで仕事をしている当事者は混乱するし、新しいテクノロジーにあったコンテンツをつくれないからクオリティも落ちる。広告が典型で、インターネット上に表れる広告は見る側からすると障害でしかない。テレビコマーシャルなどと比較にならないほど鬱陶しい。皮肉にもかつてのテレビコマーシャルがよくできていたことを思い出します。
アテンションエコノミーに翻弄されるメディア
校條:いわゆるアテンションエコノミー(関心経済、注目経済)というものがメディア全体を覆っているように感じます。アテンションエコノミーは現在のメディア状況のキーワードのひとつだと思います。あちこちのコンテンツからコピペをして作っているコタツ記事とか、思わせぶりの釣り見出しとか、目に余るものがあります。
柳瀬:そうなんですよ。1回も取材していない、場合によると噂だけで書いてしまう記事でもアクセスが多く集まりPV(ページビュー)を稼げる。そういう記事のほうがコストをかけずに続けることができる。メディアサイドもそっちに収斂しちゃうわけですよね。
坪田:PVを稼げるコタツ記事は、無料のメディアの世界の話。日経のようにお金を払っている人たちを惹きつけるコンテンツをどうやってつくるかという戦略と、無料の世界でどうやってマネタイズするかは、まったく違うと思うんですよね。
校條:有料メディアであっても、X(ツイッター)やニュースレターで随時新しい記事のアピールをしています。特に日経電子版や朝日新聞デジタルは、かなりたくさんの種類のニュースレターを出しています。もちろん、それらはコタツ記事などとは違うまっとうなものですが。
また、XなどのSNS上では、一般個人が有料・無料のメディアの記事を紹介していて記事への入り口になっています。コタツ記事からそれらまで含めたトータルがアテンションエコノミーを形成していると言えるのではないでしょうか。
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