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「セクシー田中さん」詳細が公表されぬ4つの理由 日テレと小学館、本当に「責任逃れ」狙いなのか

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 11時30分

(画像:ドラマ「セクシー田中さん」公式サイトより)

漫画家・芦原妃名子さんの急死が報じられてから10日あまり。今なお、ドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ)をめぐる記事やSNSでのコメントが飛び交う状態が続いています。

【画像】2月8日に小学館サイトで公表されたコメント(一部)。芦原妃名子さんの”非業の死”についての思いが、「小学館 第一コミック局 編集者一同」の名義でつづられていた

ただ、ここに来て明らかに「風向きが変わった」と思わされるのが、記事やSNSの注目が、脚本家、プロデューサー、担当編集者などの“個人”から、日本テレビと小学館の“組織”に移りつつあること。

日本テレビに対しては、同局の報道・情報番組「news zero」でメインキャスターの有働由美子さんが「何がどうして起きていたのか、関係各所の調査が必要です」と発言、「DayDay.」でMC・山里亮太さんが「たぶん日本テレビはもちろん今から徹底的に動くんだろうと思います」などとコメントしたにもかかわらず、まだこれといった動きが見られないことを問題視する声が挙がっています。

小学館は「編集者一同」によるコメント発表も

一方の小学館は、6日に社員向け説明会が開かれ、「現時点で経緯などを社外発信する予定はない」などと説明されたことが報じられてネット上が沸騰。すぐに「社外発信の予定なし」がXのトレンド1位となったほか、漫画家たちが批判の声を発信しました。

さらに8日、公式サイトに「小学館 第一コミック局 編集者一同」の名義で、著作者人格権の周知徹底、今回の検証を続行、ドラマ制作サイドとの交渉を是正することなどのコメントを発表。しかし、やはり「経緯にふれていない」「なぜ小学館ではなく編集者一同なのか」などの批判は消えていません。

今回の件にかかわらず、「問題が発生したときに沈黙するほど疑いが強くなり、不信感が増す」のは、通常の人間心理。特に今回は才能と実績のある漫画家の命が失われただけに、再発防止の観点なども含めて、怒りの声を上げたくなるのは自然な流れでしょう。

ただ、それ以前に、なぜ日本テレビと小学館は経緯を調べ、再発防止策を発表するなどの具体的な対応を行わないのか。その背景を掘り下げていくと、単に「責任逃れ」や「風化狙い」などの批判とは異なる4つの理由が見えてきます。

あらかじめ書いておきますが、ここでは決して誰かの味方をするわけでも、ましてやテレビ局や出版社のフォローをしたいわけでもありません。両社に限らず多くのテレビ局や出版社とやり取りしてきた経験と、この10日あまりで関係者を取材して分かったことをベースに、「なぜなかなか動かず、沈黙のような状態が続いているのか」を冷静な目線からつづっていきます。

真っ先に尊重すべき故人と遺族

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