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身体の緊張状態を自在にコントロールする方法 トップアスリートは"脱力スキル"を駆使している

東洋経済オンライン / 2024年2月11日 6時50分

いざ「力みを抜こう」と思っても、なかなか思うようにできないことは多いものです(写真:Ushico/PIXTA)

スポーツの試合中、身体がガチガチではいいパフォーマンスができません。ですが、“身体の力みを抜こう”と思っても、なかなかうまくはいかないもの。

国内外の多くのプロアスリートに指導を行ってきた中野崇さんは、「素早く動いたり、強烈なパワーを発揮したりする際に必要な脱力の“スキル”は、トレーニングすれば必ず向上します」と言います。

中野さんの著書『最強の身体能力 プロが実践する脱力スキルの鍛え方』より、一部抜粋・再構成のうえお届けします。

力を入れる部位と抜く部位をコントロールする

スポーツにおいては、身体の力みをいかに解き放つかでパフォーマンスが変わってきます。

【画像を見る】力をいれるべき部位と抜くべき部位

アスリートの場合、身体が力んでしまうことで必要なタイミングで必要な力を出せないことは、致命的なウィークポイントになります。

身体が固まったままの状態から大きな力を出したり、素早く動き出したりすることは、身体の特性上、とてもむずかしいことだからです。

たとえば、トップアスリートたちがボールや対戦相手の動きに素早く反応するための構えを思い浮かべてみてください。どの競技でもかまいません。

野球のバッターやサッカーのゴールキーパー、そしてバドミントンやテニスなど、高い反応速度を要求される際の構えとして共通していることは、全身もしくは身体の一部を必ず小さく揺らしていることです。

この特徴はトップアスリートで顕著に見られ、逆に初心者に近づくほど身体のあちこちを緊張させ、固まったまま構える傾向が強くなります。

人間の運動の特性として、すでに力を入れた状態からさらに力を入れるというスタイルでは大きなパワーは出せません。筋肉の特性上、緩んだ状態から急激に収縮することで大きなパワーを生み出すからです。

だからトップアスリートほど、パワーを出す直前に身体に潜む余分な力みを限界まで排除しようとするのです。

さらに、身体の力みが生じると、関節の滑らかな動きを妨げます。滑らかな動きとは、しなやかな動きはもちろんのこと、瞬時に固定と解除を切り替えられることも含みます。

身体が連動するときや力を伝達するときは、この滑らかな動きがベースとなっており、身体の力みが強ければ強いほど操作性は低下します。

身体の緊張状態がコントロールできず、姿勢や構え、動きの中でうまく脱力できなくなることが身体機能、そしてパフォーマンスにネガティブな影響を与えることを知っておいてください。

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