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イチゴを1粒1000円で売る方法を思いつけるか? 用途を変えれば、高くてもバカ売れに!

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 12時20分

1粒1000円のイチゴ、1粒4000円のあめなど、高くても「売れる」商品の秘密とは(写真はイメージです:kouta/PIXTA)

私たちは無意識に、個々の商品に見合った価格をイメージしながら生活しています。ものの適正価格は操作するのが難しいと思われがちですが、用途を変えたことで“高くてもバカ売れ”した商品・サービスは存在します。

今回は、インフレ下におけるヒットの新法則のうちの1つである「プレゼント」という重要キーワードについて、『高くてもバカ売れ! なんで?』よりご紹介します。

1粒1000円のイチゴが誕生した訳

想像してみてください。

もし、スーパーで1粒1000円のイチゴが売られていたとしたら、あなたは買いますか?

多くの人は、高すぎると躊躇するでしょう。

しかしそんな1粒1000円のイチゴを売って、ヒットさせている会社があります。それが「ミガキイチゴ」を販売する宮城県山元町にある農業生産法人株式会社GRAです。

創業者の岩佐大輝さんは1977年に山元町で生まれ、大学在学中にITベンチャーを起業し、現在は日本およびインドなどで複数の法人のトップを務めています。起業して10年近く経った頃、東日本大震災が起こりました。故郷である山元町も津波で甚大な被害を受けます。岩佐さんは地元に戻り、がれき撤去のボランティアをしました。「何とか故郷を復興させたい」と考えたときに、岩佐さんの頭には、町の特産品だったイチゴのことが思い浮んだのです。

山元町は宮城県内有数のイチゴの名産地でしたが、津波でハウスの95%以上が流失するという大打撃を受けていたのです。多くのイチゴ農家も廃業の危機に直面していました。

「自分の得意分野であるITを生かして、ビジネスとして新しい農業を確立することができたら、イチゴ産業の復興にもなるし、地元の雇用創出にも繫がるのではないか?」と考えた岩佐さんは、農業生産法人株式会社GRAを設立しました。震災からわずか4カ月後の2011年7月のことでした。

岩佐さん自身はまったく農業経験がありませんでしたが、匠の技をもつ地元のベテラン農家と協力しながらイチゴ栽培のIT化に取り組みます(このような農業の形態を「スマート農業」と呼びます)。こうして温度や湿度の管理など、これまで勘や経験に頼っていたものを数値化して、誰もが高品質なイチゴを栽培できるようにしたのです。

イチゴの利益を上げる方法

ただし、いくら高品質のイチゴを育てても、そのまま売るだけでは利益が上がりません。スマート農業には、さまざまな初期投資や固定費が必要となってきます。それを回収するためには価格を上げることが不可欠なのです。

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