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テイラー・スウィフトに「陰謀論」が付きまとうワケ トランプ支持者からのレッテルが大統領選を揺るがす

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 7時50分

だが、アメリカではむしろ薄暗い陰謀論がスウィフトさんにまとわりつくように飛び交っている。発信元は再び大統領の座を得んとするドナルド・トランプ氏の支持者たちだ。

MAGAで渦巻く陰謀論

日本のメディアはそうした人たちを「保守派」とカテゴライズしがちだが、そう一括りにするのは違和感が強い。

アメリカメディアは、トランプ氏が大好きなフレーズから“Make America Great Again”の頭文字をとって陣営と支持者たちをMAGAと呼ぶことが一般的だ。さまざまな背景を持つMAGAの人々を一括りにするうえで大きな共通項があるとすれば、それは、これだ。

「陰謀論が好きな人たち」

4年前の大統領選で「票を盗まれた」と根拠のない主張をトランプ氏が繰り返した果てに、彼に煽られた支持者たちが連邦議会襲撃事件を引き起こした。これに象徴されるように、総じてMAGAは、トランプ氏が次々に繰り出す陰謀論が好きだ。聞いていて心地よいのであろう。

2024年11月の本選が近づくにつれて、陣営からの陰謀論が最もヒートアップしているのが、スウィフトさん関連なのだ。その代表例が、「テイラー・スウィフトはアメリカ国防総省の秘密エージェントだ」というものだ。

日本風にいえば「中二病」の称号がふさわしいこの主張は、2024年1月9日にニュース専門チャンネル・FOXニュースにおいて、キャスターのジェシー・ワターズ氏が大まじめに論じたことから注目が集まった。

ワターズ氏いわく、「2019年に開催されたNATO(北大西洋条約機構)の会議で、アメリカ国防総省はテイラー・スウィフトをPSYOP(心理作戦)に活用することを提案した。彼女の歌がこれほど人気を博している裏には、何らかの悪だくみがある」とのこと。

そして番組は、アメリカの研究者がスウィフトさんを事例にして情報の広がり方に関する研究成果をそのNATOでの会議で発表した映像を流した。ワターズ氏の主張を裏づけるかのように。

わが意を得たりと言わんばかりのワターズ氏は、元FBI(連邦捜査局)高官との掛け合いで、「大統領選で『バイデンに投票しろ』と若者たちを洗脳するツールとしてテイラー・スウィフトが使われる可能性」について大いに語り合ったのだった。

国防総省のエージェント!?

とはいえ、この映像はひどく恣意的に編集されていた。ノーカット版の発表はYouTubeでも視聴できるが、くだんの研究者は単に「情報がSNSを通じてどう伝わるか」の一例としてスウィフトさんが「選挙の投票に行こう」と呼びかけたことの影響力を検証しただけであった。

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