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テイラー・スウィフトに「陰謀論」が付きまとうワケ トランプ支持者からのレッテルが大統領選を揺るがす

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 7時50分

「アメリカではセレブが投票所に行くよう呼びかけることは珍しくない」とも説明していて、スウィフトさんを「心理作戦に活用すべき」などとは一言も述べていない。そもそも、研究者とアメリカ国防総省とのつながりもなかった。

このFOXニュースの放送が物議を醸したのを受けて、国防総省の報道官は“Shake It Off(邦題は「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられない ‼」)”という彼女のヒット曲のタイトルを引用しながら一蹴した。

そう、「気にしてなんかいられない ‼」ほど根拠のない陰謀論だったのだ。そもそも、なぜMAGAが国防総省を敵視するのかもよくわからない。

だが、というべきか、案の定、というべきか、「テイラー・スウィフトは国防総省の秘密エージェントに違いない」と固く信じるトランプ/共和党支持者たちは少なくない。

ちなみに、FOXニュースは前回の大統領選で「投票の集計機に不正があった」とするトランプ陣営の陰謀論を繰り返し放送し、集計機メーカーから名誉棄損で訴訟を起こされた。

2023年にFOXニュースが約1055億円をメーカーに支払うことで和解が成立している。高い授業料を払ったわりに、学びは多くなかったようだ。

荒唐無稽な陰謀論を多く紹介するのも気が引けるのだが、もう少しだけ。

いまアメリカで注目を集めているのは、スウィフトさんとNFLに関するものだ。MAGAの連中は「テイラー・スウィフトとトラビス・ケルシーの交際は、実はNFLと民主党が『演出した』もので、本当の恋人同士ではない」と主張したり、あるいはスーパーボウルに関してまで「NFLと民主党が八百長を仕組んでいる」と吠えたりしてきた。

2024年のスーパーボウルが延長戦にもつれ込んだ末にチーフスが勝利を収め、スウィフトさんとケルシー選手が歓喜の抱擁をする様子を見て、MAGAは「やはり八百長だった」という思い込みを強めるのであろうか。

BTSファンたちのパワー

こうした陰謀論が絶えない背景から、どうにか合理性を見出そうとしてみるのは不可能ではない。というのも、確かにスウィフトさんはトランプ氏を嫌悪している。

そして、4年前の大統領選で彼女はバイデン氏支持を公言したのだ。それが接戦においてバイデン氏の勝利に一役買ったとの見方もある。それがMAGAから陰謀論が飛び出す土台である。

ただ、世界的な大スターといっても、一国の大統領選を左右するほど影響力があるのか、との疑問も湧く。ましてや、スウィフトさんのファンには投票権を持たないティーンズが多い。

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