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「。」は怒ってる?"マルハラ"にみる世代間のズレ 「感情が読み取れない」スマホ社会の"超弊害" 

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 11時20分

より賛意を表したいなら、「いいと思う」のすぐ後に、相手が喜ぶような絵文字を添えるのもアリなのだとか。

少なくとも、それが現代若者のLINEルールなのだということを、年配者は知っておく必要があります。

会社においても家庭においても、コミュニケーションの食い違い・行き違いをできるだけ避けるためにも。

しかしながら、スマホ社会において、人と人との会話というものが、音声を伴わずして、字面(じづら)だけで取り交わすやり方が主流となっている現状に、日本人と日本語の今後に、一抹の不安を抱かざるを得ません。

小さな平たい画面上で、手短に打った文字に、送り手の感情はどこまで載せることができるのでしょう。

気持ちが伝わらなければ、無味乾燥なワードの羅列でしかない、と言ったら言い過ぎでしょうか。

その人の顔が浮かび、声が聞こえる言葉

それでなくとも、いまや一人で黙然とスマホのゲームや動画に長時間費やす人々は増える一方。

他人と笑い合い、時には言い合いもする豊かな直接コミュニケーションの機会が減り続けており、一部では、若者の喜怒哀楽の表し方が乏しくなっているという危惧の指摘もあるほどです。

若者が喜怒哀楽のこもごもを上手に表出できなくなった一因として、コロナ禍でマスク生活が長らく続いた(続いている)ことも、少なからず影響を与えているのかもしれません。

マスクを着けたままでは声がくぐもってクリアに聞こえないし、目以外、顔の大部分が隠された状態では、表情をうかがうのはなかなか難しい……。

よく知られていることに、欧米人のマスク嫌いがありますが、口が覆われてしまっては、誰と話しているか不安で気持ち悪いと、聞いたことがあります。

そういえば、アメリカン・コミックの人気ヒーロー、バットマンやキャプテン・アメリカたちが着けているマスクは、目出しの上半分だけで、口は覆われていないもの。

それと結びつけるのは少々うがちすぎかもしれませんが、口の動きと声音から相手の感情を読み取ろうとする傾向は、日本人より強いのは確かなようです。

とにもかくにも、コロナ防止という社会情勢が強いたマスク着用の影響は、はじき切れないにせよ、スマホ普及と反比例状態の「生きた」会話の希薄さが、LINEにおける「。」添付の有無問題を生じさせているのだとしたら――。

私たちが大事にしている日本語は、そんなに底の浅いものなのでしょうか。

「お前は息子でも何でもない」に込められた意味

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