日経平均が最高値の1989年はどんな年だったのか 「喪が明けた感覚」など2024年と「3つの共通点」
東洋経済オンライン / 2024年2月17日 8時30分
その点、NYダウとS&Pはだいたい重なるようになっている。これはダウ・ジョーンズ社が、ダウ30種採用会社を小刻みに変えているからで、その辺が「秘伝のレシピ」みたいなものである。歴史が古く、権威もあるから、30社から外される会社も文句を言わない。
ところが2000年の日本経済新聞社は、その辺でしくじったらしい。まじめな話、日経平均の対象でなくなると、インデックス買いから外れてしまうので、会社の株価が下がるのだ。
察するに「御社を日経225から外させてください」とお願いに行ったところ、「日経記者はお出入り禁止!もう二度と広告も出さない!」などの嫌がらせを受けたのであろうか。結局、小まめに替えることができず、一度にまとめて30社も入れ替えることになってしまった。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というわけだ。
しかし採用銘柄の1割以上を一気に替えたら、さすがに指標が歪んでしまった。認めたくないものだな。おのれ自身の若さゆえの過ちというものを。以上、いかにも日本社会らしい(山崎さんが怒りそうな)お話であった。
とまあ、その辺の事情はさておいて、日経平均が過去最高値に限りなく接近しつつある昨今、あの平成バブルがどんなものだったか、令和バブルとはどんな違いがあるのか、思い出してみるのも悪くはあるまい。
日経平均が最高値をつけた1989年とは?
思うに昔のことを覚えているのは、年寄りの特権である。とはいえ、それを鵜呑みにしないのが、若者の特権である。昔話を好む若者が、偉くなったなんて話は聞いたことがない。だが、ふんふんと聞き流していると、たまに1割くらいはためになる話があるものだ。
1989年1月6日は東京都内でもしんしんと雪が降っていたが、翌7日朝に昭和天皇は崩御され、8日から新年号「平成」が始まった。そのことは誰もがご存じかと思う。ただし以下のような話は、なかなか歴史には残らない。ゆえに若い人は心して読んでほしいと思うのだが、陛下の容体が悪化したその半年前くらいから、いろんな行事が「自粛」モードとなり、日本社会全体がどこか重苦しいムードに包まれていた。
株式市場にも異変が起きていた。紙パルプと印刷株が値上がりしていたのである。「元号が変わる」ことは、いろんな印刷物を変える必要があることを意味する。いわば市場は「改元特需」を当て込んで動いていた。ちなみに日本のメディアが西暦を多く使うようになったのは平成以降であり、それ以前は元号の使用が圧倒的に多かったのだ。
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